第11話:人を傷つけることの共通点 ②

ただ、これらの心理を育むことや完成形を構築するには時間がかかることもあり、子供たちの精神発達の個人差を考えると全員が同じ状態にならない可能性もあり、そこから新たないじめ等の卵が出来てしまうという懸念もある。


特に園児から児童までのおよそ7年間は最も個人差が顕著に表れやすい時期であり、精神発達過程で最もいじめ等の発生が増加傾向になる可能性が高い時期でもあるのだ。


一般的なイメージでは“幼稚園~小学校で基礎的な部分が完成し、そこから中学生になり“生徒”になった段階である程度の精神発達や自己判断力が定着している事が望ましい“と考えられることが多い。


 しかし、現状はそのような価値観に当てはまる子供たちはそう多くない。


 なぜなら、現在は以前に比べると1人1人の家庭環境に加え、経済格差や学習環境など子供たちが置かれている環境が異なっているため、全員が同じように学習できているわけではない。


 そのうえ、子供たちの学習機会を親が奪ってしまうことや子どもの選択を尊重せずに親の方針で子どもをコントロールするという状況も顕著になっている事で今度は子供たちが“お父さんやお母さんにされていることを自分もしたい”という心理が芽生えてしまうことで“自分が相手をコントロールしたい”という心理になり、人を傷つけることに対して抵抗がなくなる可能性や子供たちが“自分がやられているのだから相手にやっても問題ない”という認識が出来る事で自分の気に入らないことや考えの違う意見に対して“それは違う”と思う事や自分が発言したことに対して他の子たちから“○○の意見は間違っている”や“○○の意見はおかしい”など自分の意見を否定されることでその発言をした相手に対する憎悪感が強くなり、その場で喧嘩になることや休み時間等に誰もいないところで殴り合いや言い合いの喧嘩になり、結果として個人間では留まらず、双方の家庭間や関係する教員間へと問題が波及していくことになることも十分に考えられる。


 その際に気を付けなくてはいけないのはいくつかあるが、特に“あなたが悪い”や“あなたが謝りなさい”という一方的に特定の子どもが悪いように扱ってしまうことや“○○と仲直りしなさい”や“○○とはこういう問題を起こさないで”という大人の問題に対して子どもを巻き込んでしまう可能性があるのだ。


 私は子供たちのパワーバランスの変化の要因としていくつかあり、それらの影響が子供たちの人間関係に大きく干渉していることで子ども同士は仲が良くても、親同士の仲が悪くて、一定以上の関係性を維持することが難しいもしくは両親に分からないように密かに関係を構築するという状況を招きやすい“両親もしくは父親・母親いずれかの人間関係”や“先住者”と“後住者”や“地域の有力者”と“市議会議員”・“県議会議員”など“その地域における当該家庭の立ち位置と地域序列の発生”という日本における序列社会の象徴とも感じる部分が人を傷つけることに対する個別認識の個人差が生まれる要因だろう。


 また、幼少期から両親などが他の人から頭を下げられる光景を見ることで“自分の両親はこの地域では偉い”や“自分の家はすごい家”などと視覚から得る情報から自分の立ち位置が次第に分かってくることになり、いじめられたとしてもこれらの立場を利用して、相手に対する復讐や周囲への根回しなど自分を守れると勘違いする人も少なくない。


 そのため、これらの問題が発生した場合には問題解決がかなり難しくなる可能性やそれぞれの主張の通り方が異なることで1人1人の証言に対して信憑性を確認しなくてはいけないという膨大な作業を必要とする可能性や子どもがいじめられたもしくはいじめた両親に対して忖度をしなくてはいけないと感じてしまう可能性もある。


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