第6話:虐待の発生 ⑥
これは日本において両親と子どもたちの社会的地位が大きく離れていることを示しているだけでなく、日本の法律において“両親が子どもの保護者であり、社会における養育責任者である”という文言が法律にある事から親が責任を持って子どもを育てなくてはいけないという風潮があるが、この文言を少し変えることも場合によっては必要になるのではないかと考えるのだ。
その理由として、現在は子どもたちの個別選択肢がかなり限定的な解釈が多く、子どもたちが自ら選択したとしてもその選択が尊重されないもしくは親などの許可を得ないと先に進まないなど“自己選択”に対して“親の理解”や“親の同意”が同時に求められるため、親が子どもの価値観や選択した理由などをきちんと理解した上でその選択に対して承認することや、選択内容を理解すること、子どもたちのやりたいことを支援出来るなど子どもたちの個人選択が尊重される範囲を拡大し、選択できる項目を拡充することで子どもたちが自分の考え方を持って選択をすることが出来る機会を増やすことにつながると思うのだ。
これは、親にとっては“自分の知らない事を子どもが体験・経験させてくれる可能性がある事”・“自分が出来ることで子どもを応援することが出来る”など親の立場で出来る事を模索し、子どもたちが出来る事とやりたいことをきちんと理解する事で親としての役目を果たすことにつながるし、仮にその後生まれてくる他のきょうだいに対して同じ選択肢を持ったとしても今回の経験が活かせる可能性が出来るなど親にとっても今いる子どもたちがこれから生まれてくる子どもたちの選択肢を増やすための1つの学習機会になるため、子どもにとっては自分のやりたいことを自分が出来るように学ぶことで自分の可能性を伸ばすことが出来るし、親にとってはこれらの体験・経験が次の子育てにつながるのだ。
しかし、現在は親の価値観がアップデートされている家庭とそうではない家庭が存在しているため、学校への入学時や企業等への就職などで新しい社会に出る場合に前者の家庭で育った子どもたちは大きなストレスを感じることはないのだが、後者の家庭で育った子どもにとっては価値観の違いや個々の認識の違いなどに対する壁が出来てしまい、うまく社会になじめないという可能性がある。
また、日本は教育課程が進む毎に関わらなくてはいけない人の数も増えるが、エリアも拡大していくため、これまでの価値観では孤立する可能性があるだけでなく、新たな人間関係の構築が進まない可能性があるのだ。
そのため、集団における孤立が進むと周囲にSOSを出したとしても助けてくれる可能性がかなり低くなるだけでなく、これまで仲良くしてきた同級生も新たな人間関係を構築する事でこれまでとは異なった価値観を持つこともある。
仮に新しい価値観を知ったときにこれまでの価値観をどのように取捨選択をするかで継続的な人間関係になるのか、人間関係を終了するのかが変わってくる。
これは小学校~中学校にかけてかなり顕著に表れる人間関係の転換期で、個々で残る人とそうではない人が分かれることになるのだ。
今はSNSなどが発達し、人間関係に関しては以前に比べると早期から大人と同じような関係性を構築出来る可能性が高くなっているが、この環境がこれまでの人間関係よりも複雑化させる因子を同時に持っているということを理解しておかなくてはいけない。
そして、このような環境が増加する事で多様な価値観に触れられる一方で自分の価値観と異なるもしくは自分よりも考え方が上の人に対して誹謗中傷を含めた対抗措置で相手を苦しめることに対する罪悪感がないもしくは軽視する傾向が高くなるのだ。
これは本人の体験・経験が増えていくことで新たに知り合った人や周囲の人間関係による価値観の変化も影響しているが、これまでの両親などの言動や行動がこのような行動につながる可能性もあるのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます