第5話:虐待の発生 ⑤
ただ、私が懸念しているのは親が子どもをコントロールしようとする傾向がまだ日本においては根強くなっており、子どもたちが着たいと思う服をどのくらい選べているのか、どのくらい着られる可能性があるのかという疑問が私の中に渦巻いている。
なぜなら、現在は所得にかかわらず、“子どもたち”を考える親が増えているため、“こういう服を着させないといけない”や“同級生はこういう服を着ているから”など周囲と歩調を合わせなくてはいけないという状況が出来上がっている事や普段の通学では制服で登校するため、私服を着用する機会が少ないとしても、友達と遊びに行く際や修学旅行などでは私服を着用する機会がある場合に私服で相手からの評価を受けるという可能性もあるため、全く同じにする必要はないのだが、ある程度水準を合わせて、子どもたちが大きな差を感じないような状況を作ることが求められるからだ。
しかし、親の経済事情で自分が我慢をすることを覚える事で将来、自分が社会に出たときに再び同じような立場や状況になった際に自分の子どもに対して両親に自分がされたことと同じ事を同じように行い、子どもが疑問に思ったとしても継続的かつ反射的に同じ行動を繰り返してしまう可能性があるのだ。
そして、子どもに我慢させることが正しいと思って母親と同じように育てたとしても、自らが育ってきた時代背景と現在の時代背景が異なっている事で自分の価値観を信じて育ててきた両親にとっては子どもの価値観が異なることで幼少期は日常的に暴力行為が増えてしまうなど子どもに対して力で押さえ付ける傾向があるが、小学生や中学生くらいになると小さな事で子どもとの関係性が悪化する、子どもが非行に走るなどこれまでとは異なるという状況になり、家庭を崩壊させてしまう可能性や父方の祖父母、母方の祖父母に連絡をするなどして「ママが・パパが自分の欲しいと思っている物を買ってくれない」と告げ口をされてしまうことで、祖父母たちから「お願いだから○○に欲しいものを最低限で良いから買ってあげなさい」といわれることで、双方の両親とのトラブルが発生する可能性もある。
そして、その発言がきっかけとなり、子どもに対して身体的な虐待や精神的な虐待など自分たちの価値観を子どもに押しつけるだけでなく、子どもたちに痛みを伴わせて、“こういうことをするとこういうことをされる”という行動抑止力として脳に植え付けることで子どもたちの自由を奪い、精神的に子どもの考え方やコミュニケーションを萎縮させる、親の言うことを聞くように暴力や言葉を用いることで、これまで蓄積されてきた恐怖体験がフラッシュバックすることで親の言うことを聞きやすくなるなど親のメリットとなることも少なくないだろう。
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