3-9 手紙
明朝。
「
そのぜんぶが、思い出として記憶に刻まれる。忘れない。この先も、ずっと。
「改めて、礼を言う。この地がどうなるか、俺たちがどう変えていくか。時間はかかるだろうが、少しずつ変わっていく姿を、君には見届けて欲しいと思っている」
言って
「神子。この地の守護聖獣である四神朱雀の解放、改めて感謝する。あなたはこの先、多くの者に頼られ、この国を導く存在となるだろう。だが、かつての神子のように、自身を犠牲にしてこの国の礎になどなる必要はない。あなたの後ろには我々がいる。すべてをひとりで背負う必要などないということ。あなたを失いたくないと願う者がいるということを、絶対に忘れないでくれ」
「······うん、ありがとう、
『俺ね、四神との契約が終わったら、完全な神子になるんだって。不死の身体に、なるって······それって、俺じゃなくなるってこと?』
ふと、あの時の台詞が頭の中を過った。神子として永遠を生きることに対して、
(
「失礼します。宗主、急ぎ神子殿にお伝えしたいことがあるのですが」
唐突に、閉じられた鳳凰殿の扉の向こう側から声がかけられる。しかも
「私が聞いてきます」
(挨拶が終わったらすぐ出立するのに、なにか問題でも起きたのか?)
「差出人は、
「
(あれ? それって確か、)
その少女はあの鳳凰の儀で
「
手紙を受け取り護衛を下がらせると、
「
「神子殿は、その少女をも救ったということですね。素晴らしいことです」
「良かったですね、入れ違いにならなくて。なんて書いてあるんです?」
「みんな、先に朱雀宮の門のところで待っててくれる? 俺、もう少しだけ
「わかった。では、私たちは先に行って待っていよう。では
白獅子、叔父である
「
「この手紙には、
出て行くのも自由、残るのも自由。その代わり、自分は
「
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