2-29 望まぬ結末
「あんたみたいな奴がいるから····この地はいつまで経っても腐ったままなのよ」
それもこれも、この地を治めている
それがやっと
「あんたは生きていない方がいい」
言って、刃物の先に
「待て。それを勝手に殺すことは、残念だが今は許可できない」
正面からかけられた声に、
「ふん、お前ごときただの宮女が、この俺に手を出そうだなんて! あとでじっくりその罪を償ってもら····がっ!?」
いつまでも減らない口を塞ぐように、
「罪を償うのはお前の方だ」
(別の身体の当てでも見つけたか? にしても、この終わり方は····)
せめて、自分の側近の宮女たちにはひと言残してあげても良かったのではないか? と、お節介ながら
「
丸まった背と、皺だらけの顔。頭の天辺で団子にして括っている白髪と、長い眉、口と顎の髭もすべて白い老人が、いつの間にか護衛たちと共に舞台の上に降りて来ていた。その中には
「····平気?」
そ、と背中を支えるように腕を回し、心配そうに見下ろして訊ねる。舞を舞ったすぐ後であの戦闘、そして朱雀の陣。本当なら立っているのも辛いはずだった。なにより、今目の前で起こったことに、胸を痛めていないわけがいない。
『
姿を消したままの
「俺はまた····守れなかったのかな?」
ぽつり、と
「それは、違う。おそらく、彼女ははじめから、」
『俺もそう思う。あいつ、
それはそれで、彼女たちから
鳳凰の儀は計画通りに終わることができた。
「こんなの、誰も、幸せになってないよ」
(
後はこの地の一族たちの問題だし、
(
「その者を捕らえ、最低限の治療をし牢へ放り込んでおけ。
老師の指示の下、儀式の閉会と撤収が始まる。民たちはこの衝撃的な事態に言いたいことは山ほどあったが、老師と
観覧席であの一部始終をひとりで見る羽目になった
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