2-14 夢の中で
「玄武、
名を呼ぶと同時に、それぞれが姿を現す。最後に現れた
正直、これに慣れない
「神子、あなたはそんなことをしなくても良いのですよ?様も要りませんし、」
毎回同じようなやり取りをしている気がするが、今生の神子は自分の価値を低く見すぎているせいか、いつまで経っても出会った時のままだった。
「そうじゃぞ?
「神子、少し顔色が悪いな。あまり無理をしないことだ。儀式まではまだ日もある。君が倒れてしまっては、本来の目的も果たせなくなるだろう」
ものすごく近い距離で
「それよりも、なにか話があるから
と言って、本題に入るように促す。
「そうそう、あのね、皆の力の使い方を教えて欲しくて! 使うって言っても、部分的って言うか····制御する方法というか······例えば、
符や笛を使ってもいいのだが、それだと複数人相手では不利な気がする。反射的に術を発動できたら、その方が早いし、制御ができれば相手に怪我をさせる事もないだろう。
「できると思います。私たちを直接召喚するより、あなたの負担は減りますし、効率も良いかと。やり方なら、簡単です。神子が望む形を想像すれば、それは術となって現れるでしょう」
「そうじゃの、例えば、
あの時は自分の意思ではなかったにしろ、
宝具を使わずにするのが、やはり妥当だろう。
あくまで自分と
「ねえ、それって、この夢の中でも練習できるかな?」
「はい、それも可能かと思います。あくまで夢の中なので、身体の負担も少なくて済みますし、ある意味、神子自身の鍛錬にもなるかと」
それを聞くと、
「じゃあ、今日から毎日、鍛錬する!」
「神子、あまり無理をしないで。毎日は、さすがに君の身体に負担がかかる」
「え、そうなの? じゃあ三日に一回とか?」
頬を膨らませて、不服そうに
が、その顔が愛おしすぎて、
しかし、意外にも
「
「妹! じゃろ?」
うん? と
「ふふ。みんな仲良し、いいなぁ。俺、みんなのこと、好きだよ」
三人はそんなことを恥ずかしげもなく言う主に、不思議な感覚を覚える。それは、かつての神子とはまた少し違う、感覚。記憶のない、引き継がれていないからこその、また違った感覚。
それは、どこまでも心地好く、生みの親であり唯一無二の主である神子としての言葉というよりは、
「あ、あとね、俺のことは
何度も言っているのだが、どうしても「神子」と四神たちは呼んでしまうので、
「では、
そして、夢の中での鍛錬が始まる。
神子としての力を高め、四神の力を宿して、制御する。それは、思っていた以上に器用さを求められ、
鳳凰の儀まであと二十日。
夢の中で、
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