1-27 告白
「
「俺······、上手くやれてた?」
「大丈夫? あのひとが纏っていた
「
「
「ど、毒っ!?」
顔を青くして、
「······平気。ちょっとくらくらするくらいで······なんか、気持ち悪い、だけ」
「それは平気とは言いませんっ」
なるべく揺らさないように、ゆっくりと急いだ足取りで。
呆気に取られていた
「俺、
「へへ。俺も好きっ」
「ふたりして揶揄わないでくださいっ」
顔を真っ赤にして、
「もっと早く、俺が
え? と突然の告白に、足を止めて
「せっかく仲良くなれたのに、また離れていっちゃうんじゃないかって、怖くて。でも、それって、すごく失礼なことだよね。そんなひとじゃないって知ってたのに」
「
そんなに前から? と
「それに、まさかあの
瞼をぎゅっと閉じて早口でそんなことを言う
「
思わず首に腕を回して抱きつく。瞼を閉じていた
こんな光景を
「俺も好き!」
「や、やめてください! ホントに、そういうの慣れてないんです!」
と、
何回このやり取りをすれば気が済むのだろうか。
本当に、
(······叶うならば、これからもずっと、あなたのお世話をしたいです)
いつの間にか、そんな存在になっていた。
大切な、大切な、主。
絶対に、この世の誰よりも、幸せになって欲しいひと。
(私は、何の力もないけれど······せめて、
ぎゅっとしがみ付いて来る
******
一旦、珊瑚宮に戻った
明日、
本来は、朱雀の
「······顔色が悪い」
「あ、ちょっと、色々あって······でも、もう平気だから!」
ここは外で、路は人が行き交っている。誰が見ているかもわからない。
その横には幼子の姿をしたちび
「突っ込みどころ満載だが、とりあえず中に入れ。その衣は、ただでさえ目立つんだから」
まるで自分が朱雀の
「
「ああ、それなら、ここの店主が用意してくれている。一度袖を通してから、長さを調整すると言っていた」
「着付けはお任せください!」
「あの、
こういうのは、本人の意思もある。女装されられるのだ。しかも衣裳は花嫁衣裳。さすがの
「花嫁衣裳なんて、きっとこれを逃したら一生着られないものでしょう?楽しみしかないよっ」
「そ、そうです? ならいいんですが、」
本当に嬉しそうに微笑んだ
その我ながら良い思い付きに、
「
堂に入ろうとしていた
「······まあ、いいんじゃないか。そういう話なら、協力してやる」
ふたりは頷き顔を見合わせると、まるで共犯者の如く笑みを浮かべるのだった。
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