1-14 そういう意味じゃない
珊瑚宮に戻った
その行動に、
(師匠、言ったのか? あれを言ったのか? でもあいつ、たぶん色々間違って解釈してるみたいだけど)
自分が煽ったのは事実だが、その光景はどう見ても間違っている気がしてならない。
たぶん
「どうしたんです? もしかして目が痛いんですか? ちょっと診せてみてください」
本当に簡易的なため、怪我をした時の包帯の巻き方や、薬草の見分け方、傷薬の調合の仕方、漢方薬あたりまではすでに学として修めていた。
「わー!? だめだめ! 俺は
「問題ない」
そして、そのまま
見てられない、と
「
「へ? どういう意味?」
「そうですよね、師匠」
目で合図をして、その答えの意味を促す。
「
『私だけを、見て欲しい』
その意味を今更ながら知り、みるみる顔が真っ赤になった。
(俺、馬鹿なの!? え? あれって、そういう意味だったの!?)
と、きっと心の中で叫んでいるだろう
(いや、そういう意味以外あるか? なんでそれで物理的な方に考えるんだ?)
赤くなったかと思えば青くなっている
万歳をしたままの
「大丈夫。伝わったなら、それで、いい」
手を放して、
「
こういう時に一番に茶々を入れてくるはずの
「
(朱雀、
少しわくわくする気持ちと、契約に対しての不安が入り混じる。
誰にも話せていない事。
白虎、
この先、それを隠したまま進んでいいのか。
(でもそれを言ってどうなるの? 契約をしないと、この国は、)
玄武、白虎の宝玉は砕け散ってしまった。この地や次の地の宝玉が砕けなかったとしても、四神の守護は必要不可欠なもの。自分の我が儘で今更止めることなど叶わないし、止めるつもりもない。
「どうした? まだ馬鹿な事でも考えているのか?」
「違うよ! 別になんにも考えてないっ」
首をぶんぶんと振って、
ふーんと疑い深い
「それより、聞いて! あのね、鳳凰の儀式の時の舞なんだけどね、今回は花嫁衣装で舞うんだって!」
「は? なんで? 神子衣裳じゃなかったのか?」
「よくわかんないけど、花嫁衣装だと
いや、それ違う意味じゃ······と
「わぁ、
「へへ。
もちろんです! と
「でも、危ないんですよね? 舞の間は大丈夫でも、その後は······、」
鳳凰舞が終わったその瞬間から、大乱闘に近い宗主争いが行われるのだ。
「
「なんで断るんですか! 守ってもらった方が良いに決まってるじゃないですかっ」
え? なんで? と
そして満面の笑みを作って、
「朱雀の
守られるのではなくて、守る。
そう言い切った
各々の気持ちを置き去りにしたまま、やがて夜が明ける――――。
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