1-4 噂の真相
宗主の護衛だという
あの賑やかしい印象の
伯父である
「伯父上は、
護衛の
「私かい? それは、二年前の件で色々と解ったことがあって、それを進言しにね」
「二年前?」
二年前と言えば、
各一族、歴代の宗主の中でも最年少の宗主として、当時かなり騒がれていたのを記憶している。
そんなふたりの会話を耳にしつつ、
彼らは知らないだろう真実を知るのは、自分と、
(白獅子····奴はどこまで知っているんだ?)
騒がれていた理由はそれだけではなく、
彼はそもそも孤児で、七歳の時に母親が亡くなってからは、ずっと
していたのだが、十歳になる頃には同じような境遇の者たち十数人をまとめ上げ、ひとつの組織を作り上げていた。悪さをするわけでも施しを受けるわけでもなく、仕事を請け負い、それぞれの特技を屈指して商売をし、たった十歳の少年が大人たちと渡り合っていたのだ。
当時の宗主は非常に多くの妻を娶り、娶っていない者も合わせるともはや解らないくらい女にだらしなく、何人もの子供がいたそうだ。
その中のひとりであった
しかし、その血は確実に能力として宿っており、
だからと言って、幼い頃から見上げている宮廷に足を向けることはなかった。代わりに、自分と同じように路地裏で生活する者たちの上に立ち、日々生き延びるために知を屈指する方を選んだのだ。
その中に、
最後には金だけ渡され、あの男がもう二度と来ないとわかると、自分を置いて自らの命を絶ってしまったのだ。
(
彼を疎ましいと思っている者が事実とは違う噂を流し、まるで
それに対して
(老師も老師だ。なぜ皆にそう説明しないのか。あの狸、今度は何を考えている?)
老師とは、
謀反が起こり、罰せられた者たちは数知れず。それを先導していたのが、ふたりの老師だった。むしろ正しいかったのではないかと、
悪しき王を退け、新しき王を据える。ただ、その新しき王となった者も、すぐに
結果的に、今の
自分たちの王が真の王となった時、
しかし、この二年間、追われた方の奴らはずっと息を潜め、こちらの隙を狙っている。少しの油断もできない中、彼らがやって来た。
違う一族だが、彼らも警戒することに越したことはないだろう。
あの白獅子さえも、信用ならない。
誰も信じない。
信じられるのは自分自身と、主である
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます