【詐欺・実録】アヤシイ垢に付き合ってみたら、ガチのヤバタニエンだった件

１月２８日 コインチェックに登録してみる

女：「おはようございます、いい一日でした」

　メッセは相変わらず、一日の終わりの言葉からスタート。

　友達にお昼ご飯を誘われたらしく、出発前の姿の写真が送られてきました。

　ファーがふっさふさの白いコート、ネックレス、イヤリング、指輪、そしてチャネル――ではない（と思われる）シャネルのバッグ。

　本人が言うには、ネックレスが気に入らないらしい。それよりも加工顔を何とかしてほしいんですけどね。

　その日は、「焼き鳥」を食べに行ったようですが、送られてきた写真を見ると一瞬寿司屋かと思ってしまいました。

　ご丁寧に、坊主頭の丁稚のような二人の板前さんの写真も。あと、「たまひも」の写真があり、「これが何かわかるか」とのこと。

　あっはっはｗｗｗ

　ちょっと下ネタも入れてくるとか、いやあ、女性としては理想的な人じゃないでしょうか。

　私ですか？　私は庶民派です。

　夜までは、そんな調子で食べ物の話が続きました。

　その後、こんな話をしてきます。

女：「私の友達が今日私に会いに来て、おいしいご飯をごちそうしてくれました。どうしてだと思いますか。ご主人は事業で多額の損失を出していて、私にご主人を暗号通貨の一次市場にに連れて行くように言いました。彼を助けていいのかわかりません」

　どうも、私に意見を求めているようです。

　私は、助けた後で自分が困ることになっても後悔しないのなら助ければいいと答えました。

私：「最悪の状況を想定して、行動を決定するのが私のやり方です」

　実際、私の行動パターンはこういうものです。

女：「あなたの理解は間違っていると思います。私は彼女を一次市場に連れていきます。私には何の損失もありません。兄とアナリストチームに何と言えばいいのでしょう」

　なら、聞くなよ(*´Д｀)って話なのですが、これはこの後の布石なのでしょう。

『私には何の損失もありません』

　つまり、私を投資に誘うのは、自分に損得の関係ない、純粋な「友情」からだと思わせる手だと思います。

　人生をそこそこ歩いてくるといろいろな勧誘に出会います。

　そこに共通するのは、「何かを勧誘するのは、する側に利益があるから」です。

　される側に利益があっても、それ以上の利益が誘う側にもたらされるから、勧誘します。

　私の経験ではこれは真理でした。きっとこれからも、真理であり続けるでしょう。

女：「ところで、昨日お話ししたコインチェックはダウンロードされましたか？」

私：「昨日は時間がありませんでした。今からやってみます」

　coincheck自体はCMもしていた取引所ですし、そもそも暗号通貨がどうかということを置いておくなら、別に怪しいものではありません。

　そこで私は、アプリのＤＬをしてみました。

　なにやらいっぱい暗号通貨が並んでいます。私が知っているのはビットコインくらいでした。

　そこから少し暗号通貨の話。今年の五月にほとんどの暗号通貨が暴落していたので、その原因を聞いてみました。

　ウクライナ侵攻、アメリカの利上げ、景気の後退感が原因だとの答え。

　私が思うに、アメリカの利上げが一番影響が大きかったのでしょう。

女；「コンソーシアムによって操作されることのない、いくつかの新しい暗号通貨への投資のみを選択します」

　相手は、「自分は、ビットコインのような主要な暗号通貨は取引していない」と言っていました。

　これも、詐欺への布石だと思われます。

　後で調べてみたのですが、様々なタイプの詐欺があるようで、『新しく発見された暗号通貨』をかわせるという名目でお金を取る詐欺もあるようです。

　もしかしたら私も、そういう方向へ誘導される予定だったのかもしれません。しかし私は、そこまではいきませんでした。

　そこからしばらく暗号通貨の話が続きます。

女：「コインチェックに登録していますか？」

　通貨の取引をするなら、個人情報の登録が必要です。

私：「時間がかかりそうですから、後でやっておきます」

　そう返事をしたあと、この日のやり取りは終わりということで、就寝のあいさつをしました。

　さて、ということです。

　どうしたものか。

　どんなものなのかと思い、少し登録画面を進めてみたのですが、かなりめんどくさい。

　そして、個人情報を根こそぎ登録させられます。

　これが聞いたこともないサイトだったらここで終わっていたのですが、コインチェックですから、まあ知らないわけではない。

　それに、通貨のやり取りをするのですから、セキュリティは当然シビアなものでしょう。

　実際、マネロンや制裁対象国への送金に使われたりしますので、その辺は厳しいようで、たとえば「北朝鮮への送金はできない」などと書かれています。

　まあ、登録だけならしてもいいか――

　ということで登録してみたのですが、想像以上にすごかったです。

　免許証は、その画像だけでなく、免許証の厚さが分かる写真まで要求されます。

　顔写真も、写真だけでなく、首を左右に振る動画も撮らされます。

　犯罪者かよｗ

　まあ、大きなお金を動かすようなサイトですから、twitterの登録のようなものではないのは当たり前です。

　とりあえず悪戦苦闘しながらもなんとかコインチェックへの登録を終わらせました。

　あとは登録申請の許可を待つだけです。

　・・・そう、許可制なのです！　このへん、後で関係してくることなのですが、それはまた次回に。

（つづく）