1月26日~27日 さらに投資(というか投機)の話が増えてくる
ここから、相手の『身の上話』が出てきます。
アパレルショップやカフェをやっていたが、コロナの影響で危なくなったところ、仮想通貨の利益で乗り切ることができたということ。
兄は、ハーバード大学で金融を専攻していて、卒業後にウォール街で10年以上財務アナリストをしていたこと。その後、マンハッタンの国際金融センターからオファーを受けて、マンハッタン・グローブ金融センターの上級責任者をしているということ。
私自身は、それを聞いても「へぇ」としか思わないのですが(異世界すぎて、すごいのかどうかもよく分からない)、多分色々と『すごい』アピールをしたいのでしょう。
私が教育関係の仕事をしているというと、相手の父親は元教師で今は退職しているという話が。
女:「(父は)一生苦労して、楽しむ年齢になりました。あなたはいつ人生を楽しむ予定ですか? 私たちは一緒に海外旅行を楽しむことができます♡」
(「私たち」が父親のことなのか私のことなのか、よくわかりませんでした。あまり深くは突っ込んでません)
相手の論調は「仕事ばかりではしんどい。人生を楽しめ」というものだったのですが、私は仕事も楽しいし、それ以外の時間も楽しんでいます。
価値観の違いかなと思ったのですが、まあ、「金を儲けろアピール」だったのでしょう(笑)
その後、相手が「祖母が誕生日なので、プレゼントを買いに行く」という話をし始めました。パールのネックレスを買うんだそうで。
私に「何かいい提案はないか」と聞いてきたので、「パールもいいけど、化粧品なんかどうだ」と返したのですが、「じゃ、おばあちゃんに真珠のネックレスを買ってあげます」と返されました。
さて、仕事が終わったので帰ることにしました。それを相手に伝えると、
女:「わかりました。あなたの帰りを待っています。じゃ、パックします」
という返事が。
私は家に帰るまでに一時間近くかかります。
帰った後、メッセに写真が。
ピンクのバスローブ姿で、顔にスキンケアシートを貼った写真です。
なるほど「パックをしている」ということでしょう。
私:「パックでさらに美しくなりましたか? 今帰りました」
女:「はい、それでは一緒に休みましょう。おやすみ、いい夢です」
・・・話聞けよ(;^ω^)
その日はそれでおしまいでした。
明けて1月27日。
朝から写真が何枚か送られてきています。
朝食の写真のようで、白いポットと、その中身でしょうか、牛乳のような液体にプルーンのようなものと、透明な筋状のものが入っています。
メッセには「おはようございます、いい一日でした」というお決まりの過去形。
そして「赤い棗ツバメの巣の粥です」とあります。
あるんですが……いや、これ、今気づきました。
棗「なつめ」が、メッセでは簡体字になっています。この時はスルーしちゃいましたね。簡体字が読めるのも困ったものです(笑)
その後、メッセージが一つ取り消されていました。(何が書いてあったかはわかりません)
ツバメの巣は美味しいんでしょうか。食べたことないっす。
ちょうどこの日、関西でも雪が降りました。はるか昔、中国人の友人と文通をしていた時(昔は文通でした。今はLINEですか。便利ではありますが、その分、詐欺にも使われるという、なんだか悲しいですね)、雪を見たことがないと言っていました。
台湾でも雪が降ることはないだろうと思い、雪の写真を送りました。
たいらさん、やさしい(*´Д`)
女:「ありがとう。これをきれいだと思いますか?」
帰ってきたのは14秒間の動画。再生してみると、買おうとしているネックレスを映したもののようです。そのあと、バッグを買いに行ったとのことだったので、
私:「おばあさまも喜ぶでしょう。気に入ったバッグはありましたか?」
と返すと、
女:「買いました。今、祖母の家で誕生日を過ごしています。着いたらあなたにメッセージを送ります」
そしてまた写真が。
一枚目は、老齢の女性がケーキを前に記念撮影。ケーキにはいろいろな飾りがつけられていますが、その中に赤い旗があります。
あー、これも今気づきました。
旗には「福如東海」「寿比南山」と書かれているのですが、「東」が簡体字、「寿」が日本と同じ字ですが、台湾では「壽」と書くはずで・・・
いろいろ見逃してますね。おばあちゃんの写真に気を取られました。
というか、おばあちゃんまで登場です。
これらの写真、本当に今も謎です。
そのあと、購入したバッグの写真。シャネルのようです。たぶん「チャネル」ではないはず(笑)
その後、食事をしたようですが、ちょっと気になる話が出てきます。
女:「暗号通貨を買ってもいいですか、と祖母は言った。おばあさんのお小遣いがなくなったと思ったら、おばあさんは自分のお小遣いを稼ぎたいと言いました。この年齢になって、祖母の向上心には頭が下がります」(原文ママ)
(日本語は語尾が多彩なので、その辺の違和感は無視していました)
おばあちゃんと暗号通貨を絡めてきました。この辺、相手(つまり私)の興味を引く手なのか、どうなのか。
女:「突然おばあちゃんに言われて、私は気分が悪くなりました。どのくらい知っていません、孤児、老人腹いっぱい食べて暖かく着ていません。私と兄は毎回、暗号通貨の利益の20%を寄付していますが、二人だけではとても無理だと思います」(原文ママ)
多分、おばあちゃんに「裕福でない子供や老人がどれくらいいるか知ってるか」と聞かれたと言いたいのでしょう。
そこよりも、「自分は寄付している」というアピールでしょうか。このあたりも、手口なんでしょうね。相手が、話に乗ってきやすいようにするための。
さて、この後、今度は「ネールサロン」で撮った写真が送られてきました。一日にどんだけ活動してねんって感じですが、もちろん、本当に行っているのか準備された写真を送ってきているのかはわかりません。
詐欺だとしたら、後者なのでしょうが・・・写真を画像検索しても面白いかもしれません。ただ、めんどうなのでやってません^^;
私:「資本主義、自由経済においては、勝者と敗者が必ず存在します。仕方のないことです。寄付をしているというのは素晴らしいですね」
本当ならね?
女:「あなたの言う通り、賛成です。しかし、利益を寄付するたびに、援助、老人、孤児、お金を稼ぐことにやりがいを感じました」
この日くらいから、金儲けしようぜ圧力が高まってきました。
私としては「んー、やっぱり詐欺なのか?」といったところです。確信は持てないでいましたが。
私:「お金を稼ぐ手段を持っていない人に、お金を稼いだ人が寄付するのはとても良い行為だと思います」
女:「あなたの理解は間違っていると思います。お金を儲ける手段がないのです。私の投資経験を生かしてあなたに最良のファイナンスアドバイスをすることができます」
とうとう、来たよ・・・知り合って10日ほどでしょうか。かなりの『下準備』でした。ただ、私自身投資にも投機にも興味はありません。様子見です。
私:「投資には多額の元手が必要です。私には無理ですね」
女:「投資は多額のお金を必要とせず、少額で試して学ぶことができます」
相手が言う「少額」とはいったいいくらのことやら。
女:「あなたは投資をしたことがありますか?」
私:「ないですね」
女:「ゆっくりと学び、試すことができます。投資はお金を稼ぐためにお金を使うことであり、それはより簡単になります。私たちをお金の奴隷にしないでください」
この言葉、相手は「お金のために奴隷のように働くのはやめよう」と言いたかったようですが、私は「いや、投機とか、まさにお金の奴隷でしょ」と思ったので、相手の言葉の趣旨を理解するのに少し時間がかかりました。
ここからしばらく、「暗号通貨に投資し、安定した利益を得よう」という勧誘が続きます。
私からの返事は、できるだけそっけなく。「お金は必要最小限あればいい」「そうなれば理想的ですね」「考えてみます」「時間かかりそう」「暗号通貨に詳しくありません」
こんな感じだったのですが、相手はガンガン勧誘してきます。そして
女:「ダウンロードできるcoincheck。coincheckは日本で便利な暗号通貨取引所だ」
女:「暗号化の分野では、Binance、Huobi、coinbase、Kucoin、およびプライマリーマーケットだけを信じています」
やれやれ、です。
ここでまず私は、一つ目の選択を迫られました。
ここでやめる(つまりブロックして関係を切る)か、それともまだ付き合うか。
まあ、せっかくここまで付き合ったんだし、実際のお金が絡むところまではもう少し付き合ってみるか――
私が出した結論はこうでした。
(ほんと、危険なので真似しないでくださいね)
私:「今、あなたは何をしていますか」
女:「現在投資している仮想通貨の新しいトレンドに注目しています」
そして通貨価値の変動グラフが送られてきました。
んー、そういう生活は本当に幸せなんでしょうかね。
いや、相手は詐欺だから、そんな生活はしていないんですけどね(笑)
女:「今日は、$19,000を稼ぎました。とても満足しています」
19ドルじゃないでしょうから、19000ドル? アメリカドルだと300万円くらいでしょうか。いや、まあ、そんなこと考える意味はないですが。
ちなみに、20%の利益で300万だと、動かしているのは一千万以上。
あー、はいはいって感じです。
私は話をそらすためにバッグの話を蒸し返しました。なので暗号通貨の話はいったんここで途切れます。
私:「今から家に帰ります」
女:「あなたが家に着いたら私は寝ます」
このへん、優しいアピールでしょうか。ロマンス詐欺としては、恋人感が足りませんね(笑)
まあ、これくらいがわざとらしくなくていいのかもしれません。
私:「無理しないでいいですよ。台湾では今何時ですか?」
「台湾では」なんて入れるんじゃなかったと後悔。まあ、一応ね。ジャブですよ、ジャブ。
女:「台湾は現在22時21分」
私:「時差は一時間ですね」
また一時間ほどかけて家に帰った後メッセを入れました。相手は起きていて、おやすみを言い合い、この日が終わりました。
(つづく)
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