1月25日① 投資の話が出始める

 朝起きると、写真が送られてきています。庭に咲いている薔薇の写真。本人は写っていません。


女:「おはようございます。いい一日でした」


私:「おはようございます。薔薇ですね。日本では薔薇はもっと後に咲きますよ」


 薔薇が咲くのは四月か五月じゃなかったでしょうか。あまり詳しくありませんが、一月に咲くようなものではないでしょう。


 つまりこの写真は、「私は今暖かいところにいます」というアピールだったのでしょうか。


 再び写真が送られてきました。緑の芝生を背景にゴルフカートに乗った彼女の姿。サングラスをしていて、そのせいでしょうか、加工はそこまでされていません。


女:「打ちません、うっかり手を怪我して、痛いです」


 どうもゴルフで怪我をしたようです。


(これが真実なのか、それとも相手を信用させる布石だったのか分かりませんが、後に送られてきた写真では確かに指に絆創膏をしていました)


 私は、ゴルフ、気持ちよさそうですねとか、大丈夫ですかといったメッセージを返しました。


 それから数時間後、再びメッセージが。


女:「ただ今帰りました。あなたが忙しくなければ教えてください」


私:「夕方に時間があると思います。お話しできる時間があれば連絡しますね」


 仕事がありましたので、その後手の空いた時間に再びメッセを送りました。


私:「今から少し休憩です。何をしていますか?」


女;「私は家で本を読んでいます。ベンジャミン・グラハムが投資戦略について書いた『賢い投資家』を読んでいます」


私:「すごい本を読んでいますね」


 いや、ごめんなさい。そんな本知りません(;・∀・)


女:「今日どのように出勤時間にも私にメッセージを送ってくれますか? まさか私のことを考えているんじゃないでしょうね。ホホホ」


 なぜなのかはわかりませんが、彼女が送ってくるメッセでは『(笑)』の意味であろう言葉が、「ホホホ」「ハハハ」「ヒヒヒ」というもので・・・

(ホホホはわかるんですが、なぜにヒヒヒなのか、最後まで分かりませんでした)


私:「今は休憩時間なので、私のやりたいことをして良い時間ですよ。ばれてしまいましたか。あなたのことを考えていました」


 嘘は言ってない。「いったい何が目的か」ってずっと考えてましたから。


女:「友達だから、友達が恋しくてもいいですよ。私は今日もあなたのことを考えて、あなたは出勤して寒くありませんか」


 かなり日本語が乱れてますが、まあ、意味は分からなくもない。


女:「私の大学の専攻は金融経済学です。私も普段は投資をしています。だから投資の本をたくさん読みました」


私:「私は、政治思想を専攻していました。経済については詳しくありません」


女:「友達としてお互いに関心を持つべきです。私はこれからあなたから思想や政治を学びます」


私:「投資は儲かりそうですが、リスクも高そうです」


女:「あなたは私に金融を学んで、私はあなたの先生です。ホホホ」


私:「そうですね。あなたは私の先生です。色々教えてもらわないと」


女:「あなたが言うように、金融はお金を稼ぐリスクが高いのです。しかし私の専門は、専門的なデータ分析とリスクヘッジの意思決定です」


 正直私は、投資や投機、金融にはあまり興味はありません。


 ただ、どうも話がお金へと移ってきたように思えました。ただ相手があっさりと「リスクが高い」と認めてるので、まあそうだよなぁで終わらせました。


 そこから、相手のお兄さんの話が出てきました。


女:「私は少し兄を思って、コロナのため兄は何年も家に帰っていません、兄はアメリカで金融役員をやっていて、すごいでしょう」


私:「お兄さんも優秀な方のようですね。これからは外国との行き来が簡単になると思いますよ。そろそろ仕事に戻りますね」


 こんな感じで、私はいったん話を切りました。


(つづく)


 

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