第8話  マークの子孫になってた!!

「勇者、マークウェル・ラミネスのことを言ってるのかい!?」


ママは、ふっくらした、顔で黒い髪を緩く結っていた。

おくれ髪がママらしくて、良いや。


「うん、ママ。僕はね、夢でマークと魔王のアグネクトを倒したんだよ。」


そう言うと、ママはますます驚いた。


「魔王の所に女の子はいたかい!?」

「いたよ。碧い目のとっても可愛い子だったよ。名前は確か・・・」

「リムジットかい!?」

「どうして、知ってるの!?あの後、僕は夢から覚めて、現実世界に引き戻されたんだ。でも、直ぐに死んじゃったんだけどマークと約束をしたんだ。

生まれ変わったら、この世界に来いって。ねぇ、マークは?」

「死んだという知らせは無いよ。でも、ここには居ない。理解が出来ないけど、生れる前にマークウェルじい様にあったことがあるんだね?

そして、魔王の椅子の下から母さんを助けたのが、お前と言うのかい?」


僕は、びっくりした。


「リムジットがママのママなの?」


ママは、確かめるように僕に言ってきた。

そして頷くと、リムジットのことを説明してくれた。


「マークウェル勇者は、何処からか攫われた、母さんの故郷を捜して旅をしたそうだが、とうとう、見つからなかったんだよ。それで、この村に根を下ろして農民として、暮らしていくことにしたんだ。でも、年頃になった母さんの美貌は、こんな田舎でもあっという間知られたよ。」

「だろうね・・・リムジット、可愛かったモン。」

「母さんには、不思議な力もあったそうだよ。人の未来が視えたり、癒したりするようなことも出来たらしい・・・ただね、この家の裏山に1人で薬草摘みに行った時に、2、3日帰らないことがあってね・・・もう、1人では薬草摘みに行くなと言っても聞かなった。

ある日村の者が、コッソリ後を付けて行ったら、リムジットは銀色の光の中へ消えていったと言うんだ。」

「単に見失っただけでしょ!?」


そう言うと、ママは何故か僕にゲンコツをしてきた。

ママがママらしくないよ~


「それでリムジットは、どうなったの!?」

「マークウェルが、連れ戻しに行ったよ。」

「マークは勇者だもんね。さすが!!」

「でも、母さんのお腹の中には、私がいたのさ・・・」

「ママは、学者のおじいちゃんの娘のはずだけど・・・?」


ママはまた、僕にゲンコツをしてきた。


あの可愛いリムジットが、誰の子か分からない子を生むなんて・・・

僕の泣きそうな表情を見て、ママは察して言ってくれた。


「母さんは、私の幼い頃に亡くなったが・・・」

「え・・・?」

「お前の父さんは世界で1番美しくて、尊い方だよって、幸せそうに言ってたよ、それだけはよく覚えてる。」


ママは、懐かしそうに目を細めて言った。


あれ!?マークがリムジットの後見人になって、リムジットがママを生んだ僕のお祖母さんてこと!?

わあ!!すごい!!僕は、勇者マークの子孫になっちゃったんだ!!


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