第34話  マークと最終対決

洞窟全体が、炎に包まれた。


アンナが本気を出しているのが、僕にも分かっていた。

アンナのこんな顔は初めてだ。

時々、何かブツブツと言ってる・・・

違う精霊も呼んでいるみたいだ。


でも、僕には一切手を出すように入ってこなかった。

一度、加勢しようとして


「手伝うよ!!」


と言ったら、


「うるさい!!集中が途切れる!!黙ってろ!!」


とキレられてしまった。


ブーたれていたら今度は、


「特大のエアキックをお見舞いしてやれ!!」


なんていうもんだから、ふてくされていた僕は、超特大のエア・キックを鳥頭の神?に向かってぶつけてやったんだ。

見事に、鳥さんの頭はふっ飛んだよ。


「ゼネクト神は、終わりだな・・・後は頼んだぞ、タクト。」

「アンナ!!」


アンナは、その場に倒れてしまった。

コンラッドお兄さんが、その時に洞窟に入って来て、アンナを回収していった。


「姫は大丈夫です。力を多く使われただけです。休めば元気になります。」


コンラッドお兄さんの言葉に安心した僕は、改めて頭が無い生き物を振り向いた。


そいつは、頭を吹き飛ばされても生きていた。

不死のマークを食ってるからか!?


しばらくすると、一瞬辺りが真っ暗になって、薄暗い日の光が洞窟の奥までさし込むと、そこにはマークの姿があった。


「とうとう、俺を倒しに来たか。タクト。」


僕は神剣の持つ手が震えた。


「マークが魔王じゃなきゃ来ないよ。」

「お前がもう少し早く生まれていればなぁ・・・」

「無茶言わないでよ。」

「魔法使いのあの子は、何者なのだ!?ゼネクトを吹き飛ばしてしまったぞ。」

「良く知らないけど、この世界の神様の血を引いてるんだって。」

「ふ・・・ん、まぁ良い。おかげで、ゼネクトの支配からも逃れられたのだ。

タクト、今度はお前とこの世を作り直しして行けば良いのだ。我が手を取れ。

そして、この血を飲め。さすれば、お前も永遠にこの世を流離う・・・」


マークはその先を言うことは出来なかった。

僕の抜いた、神剣アフレオスが、マークの心臓を貫いていたからだ。


「タクトゥール・・・!?」

「ごめんね、ごめんね・・・マーク、僕がもっと早く生まれ変わっていれば良かったのにね!!

アフレオス!!その名の如く輝け~~光に反するものを退けよ~~」


神剣から眩い銀色の光が放たれた。

僕は、教えられた通りの言葉を言ったのだ。

あまりの光に僕も、目が眩んで意識を失った。


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