第31話  神剣を抜いた僕

「事態は、思ったより最悪だな。」


アンナが、大きく息をついて言った。


「邪神と取引してるとは・・・」


僕は、ある決心をしていた。

そして、アンナに言ったんだ。


「アンナ、あれは僕の知ってるマークじゃないよ!!僕の知ってるマークは、みんなのためにって、魔王と戦ったんだ。

なんで邪神が出てきて、ソイツのために世界を捧げなきゃいけないのさ!!」

「セグネクトは、天界の神ではない。人間の邪な心が作った、邪神だ。だから、マークウェルの魔力や、不死の肉体に目を付けたのだろう・・・

マークウェルも孤独だったのかもしれないな。もう少し、早くお前がこの世に生まれていれば・・・違った未来のはずだ・・・」


そして、アンナは静かに言った。


「銀の森から応援の魔法使いを呼ぶ。冒険者ギルドで力自慢も募る。だからお前も戦ってくれるか?」


僕は、頷いた。


「正直、魔王が邪神に格上げされているとは驚きだったな。」

「でも、不死身のマークにダメージを与えても、HPはゼロにならないんじゃないの?」

「では、この剣を抜いてみてくれ。」


アンナは、背負っていた神剣を僕の方へ放り投げてきた。


「この剣、チカチカ光るんだよね~」

「アフレオスと共鳴している証拠だ。」


僕は、なんとなくこの剣を見た時からこの剣は、僕に抜けと言ってきているのが分かってたんだ。

でもこれは、不死のマークを倒すことのできる唯一の神剣だ。

抜いてしまえば、僕とマークの対決は避けられなくなる。

だからマークが、完全に魔王だと分かるまで、抜かなかったんだ。


鞘から、刀身を取り出すと、ほんのり銀色に輝いていた。


「これが、神剣のアフレオス!?」


僕の詠嘆していると、後ろからアンナが、


「我らの神でもある。」

「じゃあ、この剣ならマークに負けないんだね!?」

「どうだろうな?我が神は天界より使われし、柱だが邪神とは戦ったことは無いからな。」


アンナは、残念そうに言った。


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