第28話  マークの行方

ヒューイッドを回収して、アルテアの王都の治療院に診せた。

治療師はこの手の患者を見慣れているらしくて、


「16歳の坊やか。運が悪かったね~寿命を全部持っていかれなかっただけでも、幸運だよ。」


治療師は、ヒューイッドの様子を見て言った。


アンナがコンラッドお兄さんに言って、いくらかお金を出させていた。

それでヒューイッドは、この治療院に入院することが出来たんだ。


僕たちは、今日は宿で休んで明日に備えることにした。


「姫、今、宿にドーリア王国の予見師が来ているそうです。少し、お金がかかりますが、魔王のことを聞いてみますか!?」


夕食の席で、コンラッドお兄さんがアンナに言った。

何の肉か分からないモノに、格闘していた僕はドッキリ!!


「そうだな・・・これ以上の被害が出ない為にもだな・・・

コンラッド、予見師に約束を取り付けろ。」


アンナは、僕の方をチラリと見ながら、言った。


ドーリアの予見師!?


「ここ、アルテアと聖ヴァーレン皇国、そしてドーリアは文明の発祥の地で、この世界の大陸西岸3古王国と言うんだ。

ドーリア王国は、占術が発達してるんだ。魔王がマークウェルと断定はしていないが、魔王の居場所も、マークウェルの居場所も分からない。闇雲に移動するよりも、手っ取り早いと思うんだ。」

「マークに会えるんなら、賛成するよ。」


僕は、頷いた。


次の日の朝、僕たちは宿屋の一室で僕たちは、ドーリアの予見師に占ってもらっていた。


予見師は、淡い金髪と緑色の瞳の鼻筋の整った綺麗なお姉さんだった。

名前は、エステラといった。

水晶を使って予見をするようだ。

かなり、高額なお金をフッかけられたらしく、コンラッドお兄さんの懐はカラになった。

ってことは、腕に自信があるんだよなぁ・・・


水晶を覗いて言ったんだ。


「魔王、マークウェルは南のゴンガガ山の洞窟にいるわ。」


僕は、思わず叫んでしまった。


「前魔王のアグネクトの居場所と一緒だ!!火の川の向こうの椅子に居るの!?」

「ええ・・・」

「本当に、マークが魔王なの!?」

「ええ!!そうよ。まずいわ。向こうもこちらに気が付いたわ!!」


水晶が、真っ黒に染まってきた。


「この水晶は、放棄するわ。」


エステラは、そう言うと水晶を思い切り地面に叩き割った。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る