第25話  ヒューイッド、襲われる

冒険者ギルドで僕は、Bランク、ヒュイーッドはD-ランクビギナーランクをもらった。僕との差に文句タラタラだったよ。


「仕方あるまい。タクトは、一応魔王を倒した経験もあるし、実際魔法の腕も上級だ。お前は、魔物退治は初心者で、実地の経験もないのだろう?Dランクで上等だ。

本当なら、置いて行きたいところだからな。」


アンナは、冷たくヒューイッドに言った。それで、ヒューイッドも黙ってしまった。


「今日は、アルテアの郊外の荒れ地で、雑魚相手に鍛錬だ。」

「ど・・・どれくらい、倒せば良いですか!?」


ヒューイッドは、アンナに敬語になっちゃってる。


「雑魚だから、100匹や200匹は、当たり前だぞ。」


それを聞いて、ヒューイッドは顔を青くさせていた。


「ヒューは、僕が守るから後ろにいてくれて良いよ。」

「バーロー!!あんなこと言われて、男がスタルッテもんよ!!俺だって、男だ!!(自主規制)ついてるんだぜ。」


ははは・・・何と言う品の無い言葉。

僕は、初めて聞いたよ。





・・・という事で、荒れ地で雑魚の魔物狩りを始めた。


可愛いと思ってしまう物もいたが、戦いになれば牙をむいて襲ってくる。

僕のエア・ボールで、さんざん痛めつけてから、ヒューイッドが棍棒で止めを刺しに行った。

アンナは、相変わらず僕たちに経験値を積ませようと助けてくれない。

よっぽどな魔物でもない限り、僕も倒せる自信はあったから大丈夫だけどね。


ヒューイッドは、日頃の運動不足と食べ過ぎで疲労困憊だ。

でもお天道様は、まだ高かった。


突然、黒い影が僕たちの前に現れた。


「タクト!!そいつに近付くんじゃない!!」


アンナの声に、驚いて振り返ると、人がいた。


「何がそんなに、危ないんだよ。仲間かも知れないのに・・・

おじさん、何処の人!?」


僕の言葉にアンナは、頭を抱えていた。


「馬鹿!!そいつが魔族だ!!ディン族という人に近い種族だ!!戻れ!!」


それを聞いて僕は、咄嗟に岩陰に身を隠したが、僕よりもヒューイッドの方が魔族の近くにいたらしい。

ヒューイッドは、魔族に手を握られて声も無く倒れた。

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