第23話  冒険者ギルドに登録しましょう

「冒険者ギルド!?」

「そうだ。お前たちは、もう帰る家もないのだから、自分で稼ぐしかないだろ?

しかも、マークウェルを捜しながら、旅をするなんて、路銀をどうするつもりだ?」

「アンナが面倒みてくれるんじゃなかったの?」


確か、最初に会った時はそう言ってたのに…

僕がそう言うと、アンナは大きく溜め息をついて言った。


「お前だけなら、なんとか食わせてやれる。だが、お前の相棒は、計算外の大食漢だった。昨日の宿代もバカにならないくらいだ。

私だって、家からの援助は無いんだ。

自分で稼ぎながら、アフレオスの主となってくれる人を捜しつつ、魔物退治をしている。

手っ取り早いのは、冒険者ギルドに登録して稼ぐことだ。」

「ヒューの分は、僕が稼ぐよ。だから、ヒューには好きなだけ食べさせてあげてよ。ヒューは、村長の一人息子で我慢なんてしたことが無いんだ。」


僕の言葉にアンナは、笑って言った。


「お前は、良いのか?」

「僕は、悪いことをすると、ママに夕食抜きにされてたこともあるモン。大丈夫だよ。」

「ママ?母上のことか!?」


アンナは、驚いたような顔で言った。


「アンナは、どうして時代劇みたいな呼び方するの?ママは、ママだよ。」


僕の言葉に、アンナは高らかに笑った。

失礼だなぁ!


「きっと、タクトの国の言葉なんだろうな。」


宿の朝食の後、僕達はロッソじいさんと別れて冒険者ギルドがあると言う、古王国のアルテア王国へと向かった。


途中で魔物が出てくると、アンナは僕の経験値を上げるために、僕に退治を任せるんだ。

ヒューイッドは、逃げてばっかりで役に立たなかった。


「アンナ、魔法使いなんだよね?少しは手伝ってよ。」

「もう少し、攻撃力の高い魔法が使えたら、私の独断で神殿公認の魔法使いにしてやるぞ。」

「それ、すごいの?」

「神殿と名前がついていれば、冒険者ギルドでのランクも違ってくるぞ。」


それで僕は、エア、キックを見せてあげた。


「これは、取って置きの技なんだ。」


アンナは、エア、キックの威力に驚いていたが、満足そうだった。


「冒険者ランクのBランクを推薦してやる。」

「それ、すごいの?」


と言ったら、アンナはなぜか怒り出したんだ。どうしてかなぁ?

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