第19話  男前のお姉さん

「なぁ、俺たちこれからどうする!?」


ヒューイッドは、お腹をさすって言った。お腹が空いたらしい。

そう言えば、昼ご飯を食べた切りだ。

しかも僕らは、育ち盛りの16歳。

食べ物どころか、今日の宿だって当てがない。


後ろの方に急に気配がした。


「大将!!」


エアボールを2発投げた。

すると、エア・ボールが変なカーブを描いて、明後日の方向へ飛んで行った。


「変わった、魔法の使い方だな。魔物ではないから、その手は引っ込めてくれ。」


見たところ、僕らと年の変わらない女の子だった。

赤茶色のくせ毛を後ろで三つ編みにして、戦衣を着ていた。

小柄な女の子の後ろに、かなり年寄りのじいさんがくっ付いていた。


「アンナ様に、なんと言う無礼を!!何処の神殿の所属の者だ!!」


老人は、年に似合わない大きな声で、怒鳴ってきた。

僕とヒューイッドはポッカ~ン!!

何を言ってるんだ!?このじいさん!?


「おじいさん、誰!?」


僕のその言葉にお祖父さんは、顔を真っ赤にして何か言おうとしたが、

アンナと呼ばれた少女が、豪快に笑って言った。


「アハハハ!!ロッソ!!お前の負けだ。急に後ろから様子を覗えば驚くよな!?」


僕は、うんうんと頷いた。


良く見れば、少女はデッカイ剣みたいなものを背負っていた。

でもこの子、僕と同じくらいの年なのに戦衣なんて・・・?


「ひょっとして、ランス村の生き残りか!?」


少女は言う。


「そうだよ。」

「そうか・・・間に合わなくてすまなかったな。」


アンナは、謝って来た。


「知ってたの!?ランス村が魔物に狙われてることを!?」

「風が、魔物がランス村に沢山移動していること知らせてたんだ。こいつの所為で。」


アンナは、禿げたロッソと言うじいさんを睨んだ。


「当たり前です!!姫。姫の持ち出したのは神剣ですよ!!」

「魔王を倒せるのは、この剣だけなんだ、仕方あるまい。」



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