第13話  年を取らない、マーク

「マークは、何処に行ったの!?」


僕は、セネガルドに聞いてみた。

もう、老人なのに旅をするなんて。


「パパとケンカでもしたの!?」


良くある、舅と婿の関係が上手くいかなかったのかな~~

僕は、思い付いたことを風の大将に尋ねてみた。


<ホクトか?確かにホクトは、この家に支給されてる報奨金狙いだったな。>

「嘘!?パパがお金目当てで、ママに近付いたなんて。」

<本当だ、アムリットがそれでも構わないと、結婚したんだがな。>


嘘だ~前のパパは、自分で会社を起して業績を伸ばして、大きくしていったのに~

今のパパは、働かなくてマークの魔王を倒したお金で、遊んで暮らしてるわけ!?


「マークは何処!?」


僕は再び聞いた。


<風の噂では、この国を出た後に北に向かったようだな。>

「風の噂って何!?」

<風の精霊たちの噂話だ。風は何処にでも吹いている。そして、風の精霊は噂好きだ。>


セネガルドは言った。


<此処に居るのも限界になってしまったのだ。>

「どうして!?」

<マークは、お前と出会った時の姿と、この村を去った時の姿は変わってないのだ・・・としたら!?>

「年を取らないってこと!?」


セネガルドは頷いた。


<魔王を倒したが、その時に毒気に当たってしまったらしい。マークは、魔法使いでもあるから、長寿の家系だ。でも、それでも老いていくものだ。だが、マークはこの50年以上、髪も姿も変わらないのだ。

さすがに此処が、マークが開拓して、作った村だとしても、村人の目もある。>

「他の人もいるの!?」

<山を下りたところに村がある。リムジットが攫われるまでは、そこにいたが、マークが見つけて戻った時に、この山にやって来たのだ。リムジットの精神状態も良くなかったのでな、>


確かに、あのリムジットが大きくなって、ママが大人になっても、姿が変わらないなんて、村人だって、気持ち悪いよね~

僕は、ビックリして何も言えなかった。

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