第11話  僕、魔法使い!?

「何してるんだ!?」


30代後半くらいのパパは、髪の色だけが違う、でも顔は同じ。


僕がエア・ボールを投げる練習をしていたら、そんなことを言ってきた。


「パパ!!パパは会社に行かないの!?」

「何言ってるんだよ、この家にゃ、神殿から金が出るのに。

・・・それより、昨日まで、ボケらったのお前が、急にどうしたんだ!?」

「僕は、僕だよ。パパ。」


パパの方がビックリして、ママに説明を求めに行った。


「さあ・・・あの、マークウェルと魔力討伐に行って、私の母のリムジットとを助けたそうですよ。

確かにマークは、私の子にタクトゥールと付けるように、託していますし。

あの子は夢の中の世界で13歳で死んだ、なんて言ってますし、昨日はあの子の14歳の誕生日でしたから・・・」


パパもママも、昨日までの僕との差があり過ぎて、困惑してるみたいだった。


パパは、僕のエアボールの練習を見ていた。

そして、言った。


「石を投げてみろ!?」

「うん!?」


僕は、石を拾って投げてみた。

あれ!?夢の時より遠くへ、投げれる様になってる。


「ボケらったのタクトゥールに、石投げを教えたのは俺だぜ。」


何!?ボケらったって!?

聞いたら昨日までの、喋らない、魂が抜けたような僕のことをそう呼んでいたそうで。・・・馬鹿にしてるよね!!


「でも、全然威力が無いよ。前は、小さな魔物なら一撃で倒せるくらいのパワーがあったのに・・・」

「あれじゃないのか!?精霊と契約してないからじゃないのか!?」

「だって、マークは、僕には精霊が居なくても大丈夫って・・・」

「それは、夢の話だろ?この世界の魔法使いなら、精霊を従わせるのは当然のことだな。」

「僕は、魔法使いじゃないよ。」

「いや、マークウェルは神殿に正式に報告している。魔王を討ったのは、自分と魔法使いの少年だとな。お前が、マークと一緒に魔王を討った少年だとしたら、お前には、魔法使いの素質があるはずだ。」


僕はビックリした。


「風の精霊なら、マークのおいてった精霊が、この家の一番高い木の天辺にいるぞ。」


僕は、木登りなんてしたことが無いよ・・・

顔色を変えてた僕にパパは、強引に手を取りその木に向かって歩き始めた。


「さあ、この木だ。上手く契約出来て、神殿所属の魔法使いになれば、神殿からたんまり禄が出るぞ。」


そう言って、小柄な僕を適当な高さまで、追いやってしまった。

嘘~~高いよ~~怖いよ~~

ひとしきり泣いたけど、誰も僕の所には来てくれなかった。

ママとパパは、また喧嘩を始めちゃったし・・・

上を目指すしかないみたいだ・・・

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