第6話  魔王を倒した僕たち、そして・・・

超特大のエアボールは、魔王アグネクトにクリティカルヒット!!

ダメージは9999くらいだ。


僕は、マークに聞いた。


「ねぇ、マーク。この魔王のHPはいくつくらいなの!?」

「ざっと50万HPくらいだな」


僕は、ガックリ力が抜けたよ。

あと何回蹴りを入れたら良いんだ!?


そんな僕の気持ちを察してか、マークは僕に言ってきた。


「お前、1人で戦う気か!?俺もいるだろ!!忘れるな。蹴りは思い付いた時に入れれば良いから、とにかく遠投のエアボールで援護を頼む。」


さすが、HPが50万もあると、なかなかにしぶといね。

切れ味の鋭い剣を持ったマークが、あらゆる方面から、魔王を切りかかっている。

その間に僕は、エアボールをこれでもかってくらいに、アグネクトに投げつけてやった。


そして、マークが言ったんだ。


「飛び切り大きな、エアボールを蹴ってくれ。」


ってね。


僕は、超特大の岩をイメージした。

そして、それを蹴って尻もちをついたけど、魔王はぐええなんて凄い声を出して身体のあちこちから煙を出して、見る見るうちにちいさくなって、最後に爆発した。


「こっちに来て、良いぞ。」


火の川は消えて、普通の水の川になっていた。


普通の水なら、助走を付ければジャンプで越えられる幅なんだけど、多分・・・


「どうしたんだ!?水が怖いとか言うなよ。」

「僕は、走ったことが無いんだ・・・」


マークが、目を丸くしていた。


「そういや、お前別の世界で死にかけていたんだっけ。病身じゃあ、走ったことも無いか。」


マークが飛んできて、僕を魔王の椅子の所まで連れて来てくれた。


「ここに、誰かいる。お前が話せ。」

「え!?」


僕が魔王の椅子の下を見ると、子供が1人隠れていた。


女の子だ。

可愛いかった。

金髪碧眼。


「え~と、何ちゃん?僕は、タクトだよ。タクト・アラミネ。君は誰!?」


7歳くらいの女の子だった。

かなりの美少女だぞ。

少女は、震えながら、僕を見ていた。


「名前は!?」


僕の問いに、震えながら、


「リムジット。」

「何時から此処にいるの!?」

「気が付いたら・・・」

「おいで・・・」


僕は、椅子から出て来たリムジットを抱き上げた。


「何処の子だ!?」


と、マーク。


「知らないの。気が付いたらここに居たの。」

「う~む・・・仕方ない。リムジットの故郷を捜しながら、旅を続けるか・・・タクト!?どうした・・・透けてるぞ!!」

「多分、元の世界の僕が、危ないんだよ。」

「そうか、タクト。お前とはいい旅だったよ。生まれ変わったら、この世界へ来い。

待ってるぞ。」


マークのその言葉を最後に、僕の意識は途切れたのだった。


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