第閑話 文献資料「胡蝶目録」
歴史に名を残す伝説の娼館、「
通称「
この文献は現在の我々の世界に連なるグレン大王によるテラヴィック大陸統一国家、それ以前のテラヴィック大陸並びにグレン王国の風俗を知る資料としては他に類を見ないものである。
今なお続く
同時にあらゆる文献において、まるで人ならざる者の如く書かれていることの多い幾人かの
記されている数字は左が「
当時5名しか存在していなかった「
どうやらこの年に23名から26名に増加したらしい「
テラヴィック大陸に覇を唱えたグレン王国、その偉業を成し遂げた「グレン大王」の時代に、その王都グレンカイナで栄華を極めたといわれる娼館「
当時の王族が出入りしていたという到底信じるに値しない文献も散見される、まさしく伝説の「娼館」ではあるが、信頼に足るこの資料だけでも「
歴史書、資料というよりはお伽噺の類に散見される「
御伽話に語られる「
それなりに信憑性があると思われる文献、資料にもその存在が記載されてはいるのは確かだが、その実績のあまりの突拍子の無さに、想像上の人物であるという見方が主流である。
だが、文献によってはまるで人外のもののように書かれることの多い
いわば歴史に名を刻んだ存在である彼女達を、等身大の人間として書きとめていることからいっても、「
グレン王国の覇業、それを喧伝するために大袈裟に書かれ過ぎた人物が
人心掌握術に長け、
グレン大王の後を継いだのは賢王アレンである。
そのアレンに二人いた姉姫、王女二人が何処にも嫁がず系譜から消えているのはこの
だがそのような与太話が生まれ得る素地は確かにあったのだ、というのが筆者の大前提にある。
歴史や伝説、伝承であっても火の無いところに煙は立たぬ。
針小棒大としても、針が無ければ棒には語れぬ。
乗算の前がゼロであれば、後ろにどんな数字を入れてもゼロのままだ。
この「
以下がその原文である。
※「←」以降の文は原文に後から書きこまれたと思われる落書き。
伝説の「無限花弁」とも呼ばれる「
筆者の見解でもそれが正しいと考えている。
返答は「
「
5-1 ローラ嬢(ヒューマン種)
金髪碧眼 スタイルはボリュームタイプ 露出癖あり
←
←え~これだけ~ もうちょっとなんか書いてよ
5-2 ルナマリア嬢(ヒューマン種)
金髪 金の左目、蘇芳色の右目の
←スタイル抜群は当然じゃな。しかしもうちょっとこう、書くことはないのか。
5-3 リスティア嬢(ヒューマン種)
黒髪黒眼 細身よりのバランスタイプのスタイル
←ショックです。一行で済む女なんですね、私。
←う る せ え 。
←お前らの事はいちいち書き込まなくてもちゃんと把握できてるからいいんだよ。
←てれてる~?
←ならばよい。
←てれます。
←お ま え ら な 。
←これ一応公文書なんだから勘弁してくれ。
←は~い、ごめんなさ~い。
←どう把握しているのか聞かせてくれたら止めてやってもよい。
←もうしません。
←し て る じ ゃ ね え か 。
←後ルナマリア、おまえ後でちょっと執務室へ来い。
←てれるの。
←贔屓だ~
←ずるいと思います。
←……(以下判読不能)
「
4-1(引退) ヴェロニカ嬢(ヒューマン種)
一部のお客様に絶大な人気を誇った。
抜けられたのは正直痛いが、こればっかりはしょうがない。
売上だけではなくいろんな面で頼りになったが、残った面子で何とか
いつも気負い過ぎていて心配だったが、理由もわかっていた。
どんな形であれ解決できてよかったか。
ヴェロニカ嬢の「
システア家再興頑張れ。
←がんばれ~
←困った事があった
←一人で何とかしようとしちゃダメです。
←……まあ赦す。
……相談役就任は本気なのかな。
4-3 クシャナ嬢(ヒューマン種)
銀髪銀眼 褐色枠 細身よりのバランスタイプのスタイル
マイペースだが安定していて頼りになる。
ただなあ、噂の火元を辿るとほとんどクシャナ嬢に辿り着くのは何とかならんかなあ。
ならんか。
ねえもんはねえぞ。
←なにがないのかな~
←あるじゃろが。
←え、ルナマリア、それちょっと詳しく聞いていいですか?
←お前らのそういう態度がな? 事態が混迷の度を深める原因なんだが、わかってるか?
←ごめんなさい。
←ごめんなさい。
←ごめんなさい。
肌が過敏なので、俺の魔法もさることながら部屋や衣装に気を使う必要有。
自分で言わないので、新規衣装や小物を店に入れるときには確実にチェックが必要。
←天然素材なら大丈夫だよ~
←ほんとか、助かるわ。
4-4 アデリーナ嬢(ヒューマン種)
茶髪茶眼 ふくよか? ぽっちゃり? 表現間違うと偉いことになるな。
癒し系とでもいうのかね? 御贔屓筋は血筋財力もさることながら美形な方が多いな。
ただ俺を見かけたら体当たりするのは止めてくれ、当たり負けする。
それ見て笑われるのも地味にへこむ。
←わーらーうー
←体当たりか。よいな。
←ちょっと注意しておきますね。
←わ ら う な
←あとリスティア嬢、やめてあげて。
←はーい。
肌が荒れやすい傾向があり、それをすぐ化粧で隠そうとする。
俺の魔法で維持出来ちゃいるが、食事や適度な運動もさせるべきか。
魔法に頼りすぎるのも考えもんだ。
←ふむ、私がちと鍛えてやろう。
←お手柔らかにな。
4-5 エヴァ嬢(ヒューマン種)
炎髪灼眼() 長身 スタイルはボリュームタイプ
強そう。いや実際強いと思う。その割にはすぐ赤面したり、そうなったらなったでクシャナ嬢の華奢な体の陰に隠れるのがえらく可愛らしい。気弱な大型犬みたいといったら怒られるか。
御贔屓筋には怜悧な文官タイプの方が多いが、そういうところにやられちまってるのかね?
見た目の雰囲気とは違い繊細。
苦手としているお客様ははっきりしているので、その後のフォローは必須。
フォローしてることを本人に気付かれると、余計気に病むので細心の注意が必要。
こういうのは三人に任せるしかないが、そういうところは頼りになる。
頼むわ。
←まーかーせーてー
←ふむ、気にかけておくことにしよう。
←エヴァちゃん繊細ですもんね。でも
←お前らと明記しちゃいねえだろうが。お前らなんだが。頼みます。後リスティア嬢怖い。
←ひどいです。
4-7 ルフィナ嬢(ヒューマン種)
緑髪碧眼 スレンダー体系、モデルタイプ。
染めてもないのに緑ってすげえよな。
←なぜじゃ?
←いやまあ、うん、なんとなく?
顔だちと言いスタイルと言い、俺の感覚で言えばスーパーモデルみたいな感じだな。
御贔屓筋にふくよかな方が多いのは判るような気がする。
話すと意外とあっけらかんとしているので、人は見た目によらないものだ。
上昇志向が強い分、人と自分を比較して落ち込みがちだが、それを悟られないようにしている。上手く笑い飛ばせる仲いい嬢がいてくれりゃあいんだがな。
ヴェロニカ嬢が抜けた影響が一番大きいと思われるので注意が必要。
←私仲いいからよくみとくね~
←すまん、頼む。
4-9 アンリエッテ嬢(ヒューマン種)
金髪碧眼 バランスタイプ。柔らかそう。
←感想がやらしいです。
←私も柔らかいのじゃがな? 何が違うのであろう?
←私は弾力在りすぎるかな~
←余計なエロコメント入れてすいませんでした。
←おいローラ嬢……いや何でもない。
←さわってみる~
←……遠慮しとく。
男がなんとなく想像する王女様ってな、アンリエッテ嬢みたいなのが多いんじゃねえかな。
そのせいか御贔屓筋は貴族様が多く、そういうプレイをよく望まれると聞いている。
やっぱりお姫様とどうにかなりたいとか、お姫様に罵られたいとか言う輩は多いんだな。
そういうお客様を相手にせにゃならんアンリエッテ嬢も大変だ。
本人は肚決まっているからそうそう心配は要らないとは思うが、油断は禁物。
まあ体調は俺の魔法で完全に管理しているから、喘息が出ることはもうないだろう。
だがアンリエッテ嬢が子持ちと知ったら呆然とするお客様多いんだろうなあ。
ヨナ坊はうちの嬢たちのアイドルだが、幼いころから
←やきもちかの?
←いやあのな? 一歳児にやきもちもねえだろう
←子供が成長するのはあっというまぞ?
←自分も負けないように成長することを志しマス。
←ちっ
4-11 ドロテア嬢(ヒューマン種)
女教師とか女上司とか女上官とかそういう枠。
男にゃこういうのがたまらんというのが一定数存在し、そういう方々は案の定片っ端からドロテア嬢の御贔屓となっている。
ガイルの旦那とその一味が開発した伊達眼鏡(フレームのみ)及び専用ストッキングを装着するとその破壊力が増す。
その辺の別料金を平気で払うお客様の闇は深いな。
ドロテア嬢自身がいまいち自分のそういう魅力を理解できていないアンバランス感もいいのかもしれない。
←感想が長いです。私でも似合うと思います。今度するので見てください。
←えっと、あの、俺は別にそういう趣味はないんだが……
←嘘っぽいです。どちらにしても一度するので見てください。
←私もすることにした。
←わたしも~
←……。
「
決めた覚悟が揺らぐ夜もあるようだ。
俺の魔法のせいで、精神的な不安定が体調には表れないのはある意味においては厄介だ。
その分俺が嬢たちをよく見てりゃいいだけなんだがな。
←私仲がいいので、気を付けておきます。私だけだと無理そうなら相談しますね。
←すまんが頼む。
4-12 フレデリカ嬢(ヒューマン種)
金髪碧眼 バランスタイプ。
こう見ると人気嬢に金髪碧眼多いんだな。他所の箱でもその傾向はあるし。
何がどうって訳じゃねえが、綺麗なラインのスタイルと艶やかな金髪、澄んだ碧眼の活発なお嬢さんってなイメージだ、フレデリカ嬢は。
チアとかやってて、アメフト選手を彼氏にしてそうとでもいおうか。
案の定御贔屓筋はそういうのと縁のない、その割に才に長けてて財を成した大商人や国に召し抱えられている学者、魔法遣いの方々が多い。
過ぎ去りし青春時代に手の届かなかったものに憧れるってのはよくわかる。
すげえ嬉しそうなんだよな、フレデリカ嬢にやさしくされてるお客様達。
←チアってな~に~?
←ローラ嬢にゃ似合いの格好だと思うぞ。今度ガイルの旦那に頼んでみるか。
←やった~
←抜け駆けじゃ!
←ひどいと思います。
←……三人分頼みます。
活発でやさしくて、落ち込んだお客様の元気を出させるのが得意なフレデリカ嬢。
だが俺の魔法が無けりゃ寝込んだまんまになるってな、うちの嬢たちしか知らない。
これだけ働いてくれたんだから、引退しても魔法の方は大丈夫だぜと言っても引退しねえんだよな。
まあ本人の意思を尊重するしかねえか。
←……朴念仁が。
←……。
←……。
←沈黙止めて。
4-14 オリヴィア嬢(ヒューマン種)
灰髪灰眼 胸はあんまりないけど尻がでかい。カテゴライズ難しいな。
←おしりでも負けないよ~?
←いやあのな?
人間譲れない部分ってのはあるんだなあと毎回思う。
オリヴィア嬢の御贔屓達にしてみりゃ、オリヴィア嬢は神らしい。
尻神てなんだそりゃと思いはするが、お客様たちがそれでよけりゃあよしとする。
確かに魅力的なケツであることは認めざるを得ないしな。
稼ぐことを主眼に置いて居るオリヴィア嬢はビジネスライクだ。
俺の魔法で自分の最大の魅力である尻がいつもぷりんぷりんな事が、
まあ俺の魔法がありゃ、長く働けるしな。
その理由が、孤児院運営だってこた、言わぬが花か。
←協力しとるくせに。
←いろんな関係部署に口きいてますよね、
←ばればれ~
←言わぬが花って知ってるか? 上にも書いてあるんだが。
4-17 ヴィアトリーチェ嬢(ヒューマン種)
金髪灼眼() 褐色枠 ボリュームタイプ。
←
←いやあの、リスティア嬢? そういう訳じゃなくてな?
←日焼けしてみようかな。
←やめとけ。
←はい。
ヴィアトリーチェ嬢は現実感のない綺麗な嬢で、雰囲気でいやルナマリア、リスティア嬢、ローラ嬢に似ている感じだ。
おかげでちょっと腰が引けるが、妙に懐かれちゃいる。
黙ってりゃ神秘的なのに笑うと崩れて人懐っこくなる。
御贔屓筋は魂抜かれちまってるような方々が多くてちょっとビビるが、お話させてもらうと意識は明瞭で、心配するなと笑ってくださる。
それが無きゃ物の怪の類かと疑いたくなるほどだ。
これ以上成長したくないと事あるごとに言っちゃいるが、俺の魔法はさすがに老化を遅らせることはできても老化停止は不可能だなあ。
まあ俺がいる限り
若くあるというのは、女性に取っちゃ大事なんだな。
俺なんざもうちっと早く歳くってもいいと思っちゃいるんだが。
4-19 フランチェスカ嬢(ヒューマン種)
桜色髪桜色眼 小柄つるぺた枠。
ロリってんじゃねえんだよな、フランチェスカ嬢は。
いつまでたっても第二次性徴がこねえ中学校高学年とでも言おうか。
まあしかしこういうニッチ狙いみたいなのは、はまれば強い。
神を信じ、教徒に有り難い説教をたれる高位神官様方が予約合戦やってるのを見ると、何とも言えねえ気持ちになるのはクシャナ嬢の予約と同じだ。
見ようによっちゃ、とんでもない美少年にも見えるフランチェスカ嬢の望みは、出るべきところが出ることだそうで。
いや俺の魔法も成長期過ぎた人には意味ねえんじゃねえかなあ。
大きくなあれとでも唱えながら魔法かけりゃいいのか。
毎夜懇願の目で見られるのが結構な
←
←腐ってんのかローラ嬢。
←新鮮ぴちぴちですけど~
←……いや、なんでもない。
4-20 ヴィオレッタ嬢(ヒューマン種)
銀髪碧眼 バランスタイプ。
穏やかな笑顔の良く似合う、落ち着いた雰囲気が売りの嬢だ。
他の御贔屓様も張り合っては下さるが、ちょっと御隠居には敵わねえか。
先の騒動のあと、ただの商人が複数の国家を張り倒すところをテラヴィック大陸に見せ付けた、もはや歴史に名を残す大商人になっちまった。
今や先代ではなく、「
そのバケモノに、「アタシぁこの娘が可愛くてしょうがなくてね。いいかっこ見シたくて頑張ったのサ」と言わせるのだからたいしたものだ、ヴィオレッタ嬢は。
←女の子の年齢に言及するのは感心しません。
←いや、これ一応管理用の資料でもあってな?
←感 心 し ま せ ん 。
←……ごめんなさい。
前に出るタイプじゃねえが、ヴェロニカ嬢と共に嬢たちの支え役やってくれてるのはわかってる。
とはいえ近々、セフィリス様から身請けの打診あるだろうしなあ……
流石の御子息兼一番弟子様も、今度の件で文句も言えないようだ。
「
ま、基本的にゃあいいことなんだし、派手に送り出す算段でもしたほうが健全だな。
ヴィオレッタ嬢はそうでもねえが、身請けする方が派手好きだからなあ。
←別れは寂しいが、宴は楽しみじゃな。
←盛り上げるよ~
←私たちも支え役頑張りますね。だから宴で一曲踊ってください。
←当然、私も希望する。
←わーたーしーもー
←へいへい、それくらいいくらでも付き合わせていただきますよ。
←……いいなあ
4-21 アキナ嬢(ヒューマン種)
白髪白眼 スレンダータイプ。
触ったら消えちまいそうな雰囲気は、
一部の貴顕の方々にゃリルカ嬢が姉妖精、アキナ嬢が妹妖精なんぞと呼ばれているそうな。
イザナ様が姉妖精掻っ攫っちまったから、最近アキナ嬢の予約争奪戦がちょいとえげつない。
この勢いなら来年には姉妖精と同じ「
いつも穏やかに微笑んでいるイメージだが、すぐに荒れちまう肌も髪も手入れが大変だ。
俺の魔法が無かったら、なまじっか綺麗なだけえらいことになるんじゃなかろうか。
本当に美しい森の深奥で暮らす妖精みたいだ。
あんまり感情を表に出さないアキナ嬢が、俺を見かけると常の微笑以上の笑顔を見せてくれることが嬉しいてな、まあ正直なところだ。
←
←手強いよね~アキナちゃんは~
←気を引き締めます。
←お前らが俺にしか見せない顔見せてくれてるのは解ってるからな?
←きゃーーーーーーー
←ちょ、落ち着けシルヴェリア。
←
←もう言わねえ。
4-24(昇格) ファルラ嬢(
銀髪金の猫眼 細身つるぺた 体毛・尻尾も銀色。
もふもふだの、ふわふわだの末期の呪文を唱えて一晩中幸せそうにしている様になったらもう終わりだ。
ファルラ嬢はそういうお客様を貴顕レベルにまで広げた戦犯と言ってもいいだろう。
「
差別ってな、どうしたってあるもんだしな。
本人キャラクター的に心配は少ないとは思うが、
日頃にこにこしてる嬢ほど、隠されるとわかりにくいもんだしな。
まあ
←まかせておけ。
←すまんが頼る。俺は俺に出来ることするから、ルナマリアも頼む。
←おう。
←オトコマエだなおい。
←ベッドの中では可愛いものぞ?
←そのネタはもういいわ。
4-25(昇格) ルクレツィア嬢(
白金髪 蒼眼 細身つるぺた。
見た目とのギャップで言えば、ルクレツィア右に出るものは居ねえな。
まあお客様の趣味にとやかく言うつもりはねえが、御贔屓筋は精神的に一騎当千の古兵の方々だ。
「
←
←まったくありません。
←残念です。
本人は至って強靭な精神を持っているが、懐いた相手には依存する傾向がみられる。
仲良しのファルラ嬢が精神的に崩れたら、引っ張られる可能性があるから二人セットで様子を見る必要があると思ってる。
まあルクレツィア嬢もファルラ嬢を支えてくれるだろうから、いいコンビだとは思う。
「
以上のように、
また何度も出てくる「魔法」が、どうやら伝説で語られる「体調管理」を可能としたものであることは文脈から間違いがないようで、お伽噺で語られる
さすがにお伽噺で語られる様な事は事実ではないにせよ、他人の体調をこれだけの人数相手に管理できる魔法が実在したという事は脅威ではある。
だがこの「
だとすれば残された落書きを書いたのは、内容からしてもルナマリア、リスティア、ローラという「
この信用に足る文献である「
お伽噺で語られるような、武勇伝が可能な存在にはとても思えない。
やはり「お伽噺」は
「
また
傍で見ていた者たちはさぞや胸焼けしていたであろうことは疑いえない。
またこれは「
現実的とは言えないが、夢のある見解だと個人的な意見を申し添えておく。
一
記録に残っていないという事は、
まあすべては遥かな過去に過ぎ去った事象だ。
神ならぬ我々は、残された文献から伝説とされる遥かな過去を垣間見ることしか赦されぬ。
であれば、夢のある解釈、結末を夢想する事もまた赦されるであろう。
記録が残されていない以上、結末は各々が思い描いたものでよいと筆者は思う。
事実かどうかは知らぬ。
一歴史学者として見れば、在り得ぬ事だと言わせてもらおう。
だが。
記録に残っていない以上、この
もしそれが真実だという文献が今後発見されたとすれば、私は一歴史学者として生涯をかけて
絶対に後世に「色好艶男」として伝えることを我が使命とすることに躊躇いはない。
さて拙著を手に取っていただいている、歴史に造詣深いであろう賢者諸兄。
遥か古の時代にあったことに想いを馳せ、それを紐解くことに知的充足感を得る、知に遊ぶ贅沢さを知る知識人諸兄。
一つだけ質問させていただこう。
どの嬢がいいかね?
A・J・カレルレン著 「
ちなみに著者の好みの嬢は、本の裏表紙に記されている。
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