ソロライブ

ライブ当日。

 残念ながら満員御礼とまでは行かなかったが、オーナーさんによると初ソロライブにしては、客入りは上々らしい。バレンタインということで、俺達宛てにチョコも差し入れされる。


「「「「ことりノート、ファイヤー」」」」


1曲目 「メッセンジャー」からスタート。初っ端から盛り上げる。


「皆、今日は俺達のソロライブに来てくれて、ありがとうございます! それに最初から盛り上げてくれて本当にありがとう! 今日は皆にとって忘れられない日になるよう俺達も全力で頑張ります!」


2曲目 「チアフルフラワー」

恋を応援する青春ソング。


「次はヤンデレナンバーを挟みます! ちょっと怖いけど聞いてみてくれ!」


3曲目「アップルビースト」

    恋する気持ちが野獣のように荒れ狂う曲。


「新曲は奏音ちゃん作曲、詩音作詞のヤンデレ曲! 『パールの思い』です!」


4曲目「パールの思い」 

デートでプレゼントしてもらったパールのネックレスで不倫をした夫の首を絞める歌。


「皆、どうだった? 次はちょっと不思議なゾーンに入ります」


5曲目「ジェリーフィッシュ」

深海をテーマにした、少し不思議なメロディの曲。


6曲目「マジシャン・ブランデー」

  酔っ払いマジシャンのマジックショーへようこそ。


7曲目 「ダンデライオン・クライシス」

    たんぽぽの妖精の冒険の歌だ。ファンタジックに。


「次も新曲です!」


8曲目 「マギカ」

    魔法使いの宴をイメージしたファンタジーな曲。


9曲目 「just do it !」

     4人全員でラップをする曲だ。俺と響、櫻井姉弟で分かれてラップバトル。回を増すごとにラップの精度が上がって来ている。


「次が最後の曲です。ここまで聞いてくれてありがとうございます!」


10曲目「ディスカバリー」

    俺達を代表する曲。今までもライブの最後はこれで決めてきた。


「これで俺達のソロライブは終わりです! 最後まで聞いてくれて、ありがとうございました! これからも、ことりノートの応援をよろしくお願いします!」



 ライブ後、近くのファミレスにて。

「「「「乾杯‼」」」」

 思い思いのジュースを注いだグラスを合わせる。

「いや~、ソロライブ楽しかったなあ」

 俺はトゥイッターとインスタを更新し、ソロライブの感想をエゴサする。

「ファンの皆も楽しんでくれてたみたいだぞ」

「良かった」

「ソロライブ成功と言えるんじゃないでしょうか」

「だな」


 全てが順調に進んでいたはずだった。


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ことりノート 夢水 四季 @shiki-yumemizu

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