二度目の文化祭

マモ

俺達の高校は11月に文化祭がある。

 今年も勿論、参加する。


「今年は何をやるんです?」

「俺達の曲とアニソン、ボカロを、それぞれ一曲ずつだ」



 響には最近、アニメやボカロ曲を教えている。

 以前「ヒプノシスマイク」にもハマったことから、男性アイドルグループのアニメを見せてみた。そこでハマったのが「うたプリ」で、声優の宮野真守に出会ってしまった。

 宮野真守。

 声優界一と言っても過言ではない歌唱力、ハマる役にはとことんハマる演技力、バラエティ番組にまで呼ばれるほどのエンターテイナー。


「マモのラジオめっちゃ面白いぞ!」

「ファンになってんじゃねえか!」


「なあなあ、文化祭、マモの曲やっていい? うたプリのOPの『オルフェ』とか良いと思うんだけど」

「うたプリ」を知らない奏音ちゃんと詩音に軽く説明をし、「オルフェ」を聴かせる。

「良い曲。綺麗なメロディー」

「そうですね! 姉さん!」

「じゃあ、これで、決まりでいいか?」

「うん」

「ええ」

「よっしゃあ! 練習頑張るぞ!」

 

「それで、次のボカロ曲はどうするんです? 僕と姉さんはボカロには疎いので、そちらで探していただければ」

「俺『ロキ』がいいと思うんだよな!」

「ああ『ロキ』ね」

「ロキ」はみきとPがボーカロイド鏡音リン・レンを用いて作った曲だ。

「これデュエットじゃないですか?」

 音源を聴いていた詩音が指摘する。

「あ」

「そうだった」

「口調からして小鳥遊さんと梅村さんでいいんじゃないですか?」

「……やるかあ、俺達でデュエット」

「おう!」



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