中間テスト

中間テストが迫って来ていた。テスト週間に入ったのだ。

「おい、宿題は終わってるんだろうな」

「篤志のお陰でバッチリだぜ」

「もう少しで終わりますよ」

「じゃあ、響はもうテスト勉強に入れるな」

 俺の勉強方法は、まず授業をちゃんと聞く、次に提出課題を早いうちに済ます、後はワークのやり直し、暗記の繰り返しだ。これを響と詩音にもやってもらう。

「分からないとこあったら聞けよ」

「うん」

 テスト週間、部活は禁止になるが、俺達は軽音部じゃないので、勉強会の後に、普通に練習

する。テストが終わったら、文化祭がぐっと近付く。

 俺の歌も日々、マシになって来ている。文化祭までに仕上げないと。



 中間テスト結果。

 響の成績は飛躍的に伸びた。

「お前、やれば出来るじゃないか!」

「これも篤志のお陰だぜ!」


 詩音は中三で、テストはまだ来週だ。

「お前は、地頭は良いんだから、あと少し勉強にも興味持つだけだ」

「詩音、頑張って」

「はい、姉さん」

「奏音ちゃん、そのままずっと応援してやってくれないかな」

「うん」


 中学のテスト週間に入り、俺は詩音の勉強を本格的に見てやることになった。

 詩音は答えがはっきりしている数学とかは得意だが、歴史とか暗記系は、学ぶ意味が見出せていないのか苦戦していた。

「まあ、学ぶ意味とか、深く考えるなよ。作業だと思えばいい。成績が良くなれば、周りの奴より優越感に浸れるだろ。そんなんでいいんだ」


 そして、作業だと割り切ってやると、意外と出来るようで、詩音の成績も良くなった。

「一応、お礼は言っておきますよ、梅村さん」

「これを継続してくんだぞ」

「分かってますよ」

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