第8話 植物魔法と死の森
植物魔法
補助魔法
LV.2
植探 「植物を探知する」
分析 「植物の名前・種類・知識を得られる」
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「クワンよ、植物魔法のレベルが上がった。植物の探知と知識を得れるらしい。これから死の森の調査に向かう。」
「かしこまりました。」
「早急に土を確保できる場所を作る必要があるしな。特産物になり得る植物を見つけられれば良いのだがな。」
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死の森
クロノス王国の城壁から少し離れた場所に存在する。土壌からして違うエリア。
クロノス王国の土壌は決して良いものではなく、長い年月をかけ少しずつ死の森から土を回収し堆肥と混ぜあわせ現在の生産量・収穫量になっている。
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「クワン、この森をどう思う?国の土壌と明らかに違うのだが、意見が聞きたい。」
「この森は一言で表すと特殊と言うしかないですな。わかりやすく言うと魔法が全体にかかっていると言えば良いでしょうか? どちらかと言うとダンジョンに近い雰囲気がございます。閣下の植物魔法が森全体を覆っているような雰囲気ですな。」
「魔法か・・・奥に何か秘密があるのかもしれんな。これだけの森だ、良い土がきっと回収できるな。中は一体どうなってるか、進んでみるか。」
森の中は、それまでの外気温より少し暖かく植物の多様性が目につく。
目についた植物に試しに新たに覚えた魔法を使ってみる。
「“分析”」
クララ/薬効:解熱、鎮痛/毒性が強い。量をまちがえると神経を麻痺させ、呼吸停止になる。/根の外皮をむいて切り刻み、日干し。1日5gを400mlの水に1/2になるまで煎じ食前に飲む。農業用殺虫剤としても利用可能。
「”分析”の使用結果、この草は農業用殺虫剤に使える毒性の薬草というところか。なかなか便利な魔法だな。これだけの植物が生い茂る森だ、より有用な薬草もどこかにあるな」
「植物魔法もなかなか面白いものですな。鑑定魔法が不要で効果までわかるとなると、国内に薬草園を作るのも良いかもしれません。」
「国民の健康面を薬草で補うことができるとなると必要だな。計画に追加をしよう、長期計画の項目に追加しておいてくれ。」
しばらくは”分析” 魔法を使いながら森を探索する。今のところは何事もなく、大量の薬草が存在する森という認識だ。
「閣下、鴉雀無声のご準備を。モンスターが近くに存在しております。」
「わかった.危険な状態になるまでは手を出さないでくれ。私の剣術が通用するか試してみたい。」
茂みの奥から3匹の狼が涎を垂らしながら、こちらをじっと観察しながら前進してくる。
「我々を餌と勘違いしておりますな。閣下、失礼ながらご助言を。狼はグレイ・ウルフ。脅威度はCランクモンスターと言ったところでございます。連携をしながら敵を仕留める動きをしてまいります。」
「閣下。剣聖スキルを発動しますと、戦闘でのアシストが可能になりますが発動いたしますか?」
「クワン、感謝する。尊(ミコト)、今回は不要だ。」
グレイ・ウルフが襲いかかる前にこちらから動き始める。
スキル”身体強化”のおかげか現実世界の倍近い速度で動き始める。
正面のリーダー格であろうグレイ・ウルフを頭頂部から音もなく一刀両断。
「うむ、切れ味は想像以上だな。」
残心を崩さず右手にいるグレイ・ウルフに魔力を込めた黒刀を顎下から逆風(下からの切り上げ)で絶命させる、紫色の電光の斬撃がウルフの胴体、ついで後ろの木々を薙ぎ払う。
「鴉雀無声の効果は中々に素晴らしいな。」
残すは後ろにいる1匹。
仲間の2匹が一瞬に斬られ状況が読み込めていない。だが野生の勘なのか、身の危険を感じ逃げ出す。
「懸命な判断と言えるが、ここは我が愛刀の性能チェックに使わせてもらおう。」
鴉雀無声に魔力を注ぎ込む。
「“厳つ霊”」
無情にも逃げ出したグレイ・ウルフに向け、鴉雀無声から紫の雷が発現し、一瞬のうちに絶命を迎えた。
「閣下、流石でございます。Cランクモンスター程度の相手では瞬殺でございましたな。肉は不味くて食えませんが毛皮は売れることでしょう。解体できる者に処理させ、行商人に委託させましょう。」
さもこの結果は当然と言わんばかりのクワン。
「そうだな。Cランクモンスターと言うのはどのくらいの強さなのだ?基準がわからないのだ、教えて欲しい。」
・モンスターランク
S〜Fランクまでクラス分けされている。
F : ゴブリン コボルト スライム
E : オーク
D : 動物系が多い
C : オーガ
B : トロール ミノタウルス
A : ワイバーン
S : 竜種など。Aランク以上
(ゲーム内基準は冒険者ギルドが設定。ギルド内ランクレベルが討伐レベル。一般的な騎士はDランク。兵士はEランク)
集団であると単体、数体より討伐レベルが2ランク上がる。大型種ほど討伐レベルが上がる。
リッチのクワンはSランクである。
「今の狼はそこそこは強いと言うことで理解は合っているか?」
「はい、本来であれば騎士数人で相手をするレベルでございます。森の浅い箇所でこのレベルですので奥に行くほど討伐レベルが高いモンスターが存在すると予想されます。」
「なるほど、死の森とはよく名付けたものだ。開拓するにしても時間がかかりそうな場所だな。今日はこのくらいで屋敷に戻るとするか。鴉雀無声での稽古を日課に加え、スキルと体の使い方を慣らす必要があるな。私の朝の予定に稽古時間を付け加えておいて欲しい。」
「かしこまりました。」
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