白妖犬

――その犬は出会うと不幸になるとも、幸福になるともいわれる。


もふとして純白 夏をラブレターのように輝く犬をみました



雲を愛す。誰かにとても似ているし、誰かにとても似ていないから



黙るにも凹みが必要 やわらかさ 珈琲店のすみに座って



きみはきっと大きな犬の振る舞いの、つまりやさしい気持ちになれる 



いつかここにきたような顔をしたけれどそれってほんとうにほんと?



野良猫の今日いる場所がわかるから境界線を越すおとこのこ



生垣のむこうへ行ったしろい尾がひと日ひと日とあかるく太る



これはたましい剥き出しの水あそび よくないゆめをみたところでさ



触れることのまぼろしの後で きみよきみ、まだ太陽は止まっているか?



遠吠えにはるばるやってきます、雨 やさしくしてはまた吠えにくる

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