慰めの人

――とある村に、不運な者を慰める妖精がいた。


ひとひとり。雨。うすい翅を裏がえし干すような日々、労力のこと



飾られた陽光に足を向けるにも土の疲れをぬぐいきれない



ローズマリーの昼下がりからやってきて仲間はずれのぬるい西風



人でなければ君らは相手にしないだろう?そのままぜんぶ話せるだろう?



異郷では人と人とが殺しあう どう忘れようか日が沈むまで



川べりの木陰の家で寝ころんだ子犬みたいにもうだいじょうぶ



あきらかな王となっても遅くまで光る夜景に不安だろうか



慰めの言葉はきっと短さを忘れて皮膚の奥へいきつく



ねむるとき夢は大きな群れとして愚かでいたい心をつつむ



見てはいけない。熱にしずんだ君の眼はうつくしくり抜くには惜しい

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