第202話 スイートルームは甘くない

「スイートルーム」……言葉の上では、なにやら「甘い部屋」な香りがします。


 新婚旅行で、甘いカップルが予約するホテルの、豪華な部屋なイメージ?


 グリム童話で有名な「ヘンゼルとグレーテル」で魔女が住んでいた「お菓子の家」の部屋も、食べてみたら甘そうですけど……大自然の中であんなん建てたら、間違いなくアリにたかられまっせ、とかツッコミを入れるのは野暮ってモンでしょうか。


 万が一、住むことができたとしても、24時間甘い匂いに包まれていたら、それだけで胸焼けしそうですけど。空気吸ってるだけで糖尿病になりそうな。


 じゃあ隣に「塩の家」「唐辛子の家」「梅干しの家」などを連続して建設し、甘いニオイに飽きたら次々と引っ越して、しょっぱさや辛さ、酸っぱさを一回りしてもう一周するのはどうだろう……などバカな思いつきを余すところなくお送りしていますが、どこまで脱線するんだ今回は。


 本線に戻るとして。


「スイートルーム」の「スイート」の綴りは、sweetではなくsuite。

「繋がっている、ひと揃いの続きの間」を意味し、ベッドルームとリビングルームが区切られて完備されているタイプの部屋を指すのですね。


「甘い部屋」ではないのです。


「完備」されている部屋で、新婚カップルが泊まる部屋……それなりに「甘美」な夜なのかもしれませんけどね。



 さてこっから懐かしいゲームに興味ある人向けの余談。


「スイートルーム」をテーマにエッセイを書いていて、「スウィートホーム」について連想したので、ついでに。


 1989年に「スウィートホーム」という映画がありました。


 不気味な呪いの洋館に入った、TVの撮影クルーたちが次々と恐ろしい目に遭い、命を落としていく、おどろおどろしいホラー映画。

(CMがめっちゃ怖かった)


 で、同年にタイアップのファミコンゲームも発売されたんですよね。


「だだっ広い洋館を探索する」というロールプレイングゲームみたいな構成になって……。


 ドラクエなどでは、体力を回復させる「宿屋」などがありますが、ゲーム「スウィートホーム」には、ナシ。


 ドラクエなどでは、体力がゼロになった仲間を復活させる「教会」がありますが、これもゲーム「スウィートホーム」には、ナシ。


 仲間が死んだら、それまで……。

 メンバー補充はできず、ずっと「欠員状態」でプレイすることになる、綱渡り的恐怖が持続するシビアなゲームでした。


 プレイ内容によっては、映画のストーリーと異なる結末を見ることのできるマルチエンディング形式でしたが、バッドエンドしか見れませんでしたねー。

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