第186話 バレンタインデーは神父の命日

 本日は「バレンタインデー」。


 1950年代から、お菓子業界のイメージ戦略により、「女性が男性にチョコレートを贈って愛を告白する日」だと日本人は刷り込まれていますが、世界的で見ると男性が女性に贈り物をすることの方が一般的のようです(特にチョコとは限らない)。


 脳科学者の茂木健一郎氏は、「食べ物を差し出す行為を動物の世界で見ると、メスがオスにあげるのではなく、オスがメスにあげた方が良い。その方が交尾できる確率が上がる」とバレンタインデーについて真面目な見解を述べています。

 ……うん、まあ、人間の交尾事情はともかくとして。


「バレンタイン」というのは古代ローマに実在した神父さんの名前からきています。

(元の名前は「ヴァレンティヌス」で、英語読みが「バレンタイン」)


 皇帝のクラウディウス2世は「若者が戦争に行きたがらない理由は、愛する家族を故郷に残すことをためらう気持ちにある」と判断し、「だったら家族を作らせなければ良い」とばかりに、国の法律を制定して結婚を禁止してしまいました。


 神父は、若い兵士たちに同情し、法律には違反しますが、隠れて密かに結婚式を執り行ったのです。

 若者を思う神父の計らいで数百組が式を挙げたそうです。

 それが皇帝の耳に入り、皇帝は結婚式をやめるように言いましたが、バレンタイン神父は信念を曲げませんでした。

 神父は哀れにも捕らえられ、拷問の末に処刑されてしまいます。


 愛する若者たちのために、神父が命を落とした日……国民は、神父のために祈るようになりました。

 皇帝が怖いのでおおっぴらにはしませんでしたが。


 その伝統が残り、バレンタイン神父は「愛の守護聖人」として一部で信仰されるまでになります。

 時代が移るうちに「愛のために祈る日」→愛の確認のために贈り物をする日になりました。


 つまり、「St. Valentine Dayセント・バレンタイン・デイ」は神父の殉教を悼む日、というわけです。


 こんな雑学の元ネタ、正直に言うと「名探偵コナン」の灰原哀のセリフで知ったんですけどね。


 2月14日は、古代ローマ帝国では「ルペルカリア祭」というのもあり、くじを引き、くじが一緒になった男女は祭の夜に限り、共に過ごすことが許されたそうです。

 な、なんだか、刺激的な羨ましいお祭り……ごくり。


 風紀を乱すとして「ルペルカリア祭」は禁止されたそうですが。

 今で言うところの、男女の「出会い系」イベントなのかな?

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