第150話 ブラックフライデーは、なぜブラック?
CMなどでも見かけることが多い「ブラックフライデー」という言葉。
この時期に買い物すると、なんだかすごくお得感があります。
私もネット通販で買い物して、この時は「代金引換」だったので、自宅の玄関先で荷物を受け取ったのですが、運送業のお兄さんは「いやーもう、ブラックフライデーの最中は毎日地獄っすわ」と、忙しすぎる日々を嘆いていました。
「フライデー」というわりには金曜日だけじゃなくて一週間くらいセールしてんじゃないの?と気になって調べてみました。
アメリカでは、11月の最終週の木曜日に、「感謝祭」として家族で御馳走を食べて祝うイベントがあり、その翌日の金曜日に、セールを業者が始めたのです。クリスマスプレゼントなどの準備や、歳末準備などで、大勢のお客さんが見込める時期に、大幅に値下げするからもっともっといっぱい買って!と。
利益を出すショッピングイベントを一日だけで終わらせるのはもったいない、と「ブラックフライデー」は翌週まで続くことになりました。英語では「Black Friday Weekend(ブラックフライデーウィークエンド)」と表現する場合もあります。誰もが知る、年に一度の、大きなショッピングイベントとなったのです。
日本では「黒字になるから、ブラックなんだ」と理解している方も多いでしょうが、なぜ「ブラック」なのか。
それは、1961年、アメリカのフィラデルフィアに由来があります。
感謝祭の翌日の金曜日、フットボールの試合を見に来た客や、買い物客、観光客で、フィラデルフィアの街は人で溢れていました。交通渋滞や、万引きなどもあり、大勢の人たちに混乱や騒動が広がります。
民衆の整理に警察官たちは駆り出され、この日だけは、休暇を出すことも、早退することも許されません。
長いシフトで一日中、街で人混みと格闘しないといけないのです。
そこで、フィラデルフィアの警察官たちは、この金曜日を「多忙すぎる一日」として、「ブラックフライデー」と揶揄したのです。
「ブラック企業」みたいに、「地獄のようにこき使われる」という苦労から、「ブラックフライデー」という言葉が生まれ、それが広まって、11月の最終週の大幅値下げセールを指す意味に変化していきました。
警察の皆様、そして運送業の皆様。お疲れ様です。
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