第149話 「敗北」はどうして「北」の字?

 物事の勝負には、結果として「勝利」か「敗北」があります。


 字面として、「勝利」は理解できるんですよ。


「勝」って、「利」益を得る。


 でも、「敗北」って……?


「敗」れて、「北」に……なんで「北」? 


 寒い地方に逃げたの? もしかして北枕が縁起悪いのも関係ある?(ありません)


 勝負の結果、負けた人間に、方角が関係あるんでしょうか?


 そこで、この「北」という漢字を調べてみると、面白いことが分かります。


「北」という文字は、「二人の人物が背中を向けて立っている姿」を意味する象形文字が元となっています。(そういえば「背」にも「北」という字が入っていますね)


 決着がついて、負けて、その場から逃げ去る姿……なのだそうです。そこから、単純に「負ける」意味となりました。


 「北」という字に「方角」の意味が付与されたのが、あとになってからなのです。


 古代の中国では、風水的に「南」を良いものと見なしていました。


 皇帝が座る椅子、玉座も南向きで置かれ、そこに座ると「北」に背中を向けるようになっていました。「天子南面てんしなんめん」という言葉もあるくらいです。


 君主の見ている方とは別の方向を向く、つまりは意向に反対し、裏切る者……「南」の逆に「北」を配置し、方角の意味がつけられたのも、そこからきているようです。


「背」にも「北」という字が入っている、と先に触れましたが、権力者の「背中」側は北、そして「そむく」とか「背反はいはん」なんて言葉もある通り、対立者の立場となります。


 ちなみに、四つの方角と言えば「東西南北」ですが、麻雀だと「東南西北とんなんしゃーぺー」って、「東西南北」とはちょっと順番変わるんですよね。

 単純に「東家トンチャ」が一番最初で、中国語で発音しやすいからとか、ゲームで回しやすい順序に変えたとか、神々の遊びなので天上から見ると鏡面のように逆に見える、という説があります。「北」が最後なのは変わりませんけど。


 ※ 「北」という文字についての雑学をお送りしましたが、しょっちゅうミサイルを撃つような某国を誹謗中傷・揶揄する意図は一切ありません。

 ハッキリ書いとかないと。


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