第147話 トランプはなぜ54枚なのか

 1987年に、明石家さんまを探偵役に据え、吉本芸人が実名で多数登場する「さんまの名探偵」というファミコンのゲームがありました。


 連続殺人や、隠された宝石の謎を解いていくミステリーでもあるのですが、ゲームの中に


「スハダクラブ」


 という暗号が出てきます。


 素肌? クラブ? 肌の手入れをする美容関係の店か、と思いきや、スペード・ハート・ダイヤの頭文字で「ス・ハ・ダ」、それに「クラブ」で、トランプを意味していたのでした。

 ゲーム中には、トランプの神経衰弱のミニゲームがあり、それにクリアすれば捜査に重要なキーワードがもらえる、という誘導だったのです。

 

 そんな流れで、今回はトランプの話。


 お手元にトランプがあれば、ご準備下さい。


 トランプは、スペード・ハート・ダイヤ・クラブの4種のマークで、それぞれが1~13まであります。合計で52枚。


 これに、2枚のジョーカーを加え、54枚で一式となります。


 トランプは元々、「占いの道具」が発祥で、タロットカードと起源を同一とする、という説があります。


 1枚で「1週間」を意味し、1~13で13週。期間にすれば、約3ヶ月。

 クラブは春、ダイヤは夏、ハートは秋、スペードは冬。ひとつのマークで春夏秋冬、ひとつの季節を表します。


 52枚あるということは、52週……ちょうど1年間、というわけです。枚数にはちゃんと意味があります。なんとなく「占いの道具」というのも納得がいきます。


 ただし、1週間を7日と考えると、52週間だと7×52=364。1年間が365日なので、1日足りません。


 そう、そこで「ジョーカー」が1日を補って、ちょうど365日になるんですね。


 2枚のジョーカーは、片方を「エキストラ・ジョーカー」と呼び、そちらが「閏年」を埋める役割として機能します。


 また、4つの絵柄の「1」を並べて見ると、スペードのAだけ絵柄が大きかったりします(メーカーによっては違うかもしれませんが)。


 18世紀のイギリスでは「トランプ税」という税金があり、作られたトランプのすべてに税金が課せられていたのです。「スペードのA」だけは、イギリス政府が印刷したものであり、それが「納税証明」になったと言われています。現在でも、当時の名残で「スペードのA」だけ絵柄が大きい、ということでした。

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