第121話 正しいのは 「卵焼き」?  「玉子焼き」?

 お寿司屋さんで……とは言っても、私の場合は懐事情により「回らない方」 の寿司ではなく、「回る方」のお寿司屋さんの話なのですが、 メニューに「卵焼き」という表記を見つけて「おや……?」と思ったことがあります。


 私の中の認識は「食べ物のタマゴ」=「玉子」だったからです。


「卵」の字ではなく。


 店によっては「卵焼き」だったり、「玉子焼き」だったり、表記が違ったりします。


 調べてみると、生物学上のタマゴ、 調理前の生の状態が 「卵」という表記。

 調理した食材・料理された状態に 「玉子」という表記を使うのが一般的のようです。

 

 生まれたばかりのニワトリのタマゴは「鶏卵けいらん」と呼んだりしますが、スーパーの店頭に並んでいる時はまだ「生卵」、購入して家で調理したら「玉子焼き」。

「卵」 から 「玉子」 へ変化する、というわけです。


「卵かけご飯 (TKG)」の時は、調理していない生卵なので、 まだ 「玉子」 ではなく「卵」の表記となります。

 TKGに醤油、チーズ、きざみのりをかけて、レンジで温めて、 「卵」 が軽く固まったりしたら……それは「玉子」のカテゴリかもしれません。こういうのを書くと、腹が減ってくるなあ。


(でも、「半熟玉子」と書くより 「半熟卵」 の方が一般的な気もする。 タマゴを熱して、ほどよく半熟だった場合、 どっちだろう?)


 さらに言うと、調理して「卵」 から 「玉子」 に表記が変化するのは、鳥類のタマゴに限られるようです。

 魚やカニの卵などを調理しても 「玉子」 に表記が変化する例は、あまり見ませんし。


 タマゴといえば、 「目玉焼き」 って言葉、 結構残酷だと思いません? 


 だって 「目玉」ですよ?


 それに比べて、 「月見そば」 の詩的なことと言ったら!


 卵の黄身を、空に浮かぶ月に見立てるなんて、センスが素敵。

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