第103話 なぞなぞ「二重丸を一筆書きで」

 ……結論から言うと、「可能」だったんですよ。その本によるとね。


 今回取り上げる「いじわるななぞなぞ」は、私が小学校の時に読んだクイズ系の本に載っていたものでした。


「一筆書き」の定義は、「図形を書き始めてから書き終わるまで、鉛筆が一度も紙から離れないこと」「同じ線を二度なぞらないこと」だそうです。


 複雑そうな図形でも、「図形の各頂点に繋がっている辺の数」を数えて、「偶数個」の辺と繋がっていることが確認でき、その中でも2つの頂点だけが「奇数個」の辺と繋がっている(他は偶数個)のが確認できれば、「必ず」一筆書きできるそうです。


 と、なんか面倒なことを語っていますが……今回のエッセイの内容の本筋とは、あまり関係ないので、詳細な説明を省きますね。

 興味ある方は各自調べて下さい。(丸投げ)

 

 で、そのクイズの本には「◎は一筆書きが可能かどうか?」と出題されていて、


「こんなん、どうやったって絶対無理じゃん! 内側の円と外側の円が離れてるんだから! 不可能だよ不可能!」


 と決めつけて、解答ページへ飛びました。


「正解:可能」


 はあっ!?って思いましたよ。


 書き方が説明してありました。

「ただし、紙の上に限る」と条件が書かれていました……。

 黒板じゃムリなんですよ、このワザ。


(1)「〇」を書く


(2)紙から鉛筆を離さないまま、紙を折り曲げ、裏面にも線を引き続ける


(3)鉛筆の先端を、紙の表の「〇」の中央に移動させて、円の内側にもうひとつ円を描く


(4)「◎」が完成


 完成ちゃうわアホー! 卑怯にもほどがあるぅー!


 要するに、三次元的に紙の裏側を使って、移動用の線を一本引いて「〇」に「\」で「Q」みたいな図形を作って、円の内側に飛ぶわけですよ。

 で、円の内側にもうひとつ円を描いて「◎」を作ったら、折った紙を戻して「\」線部分は裏側に隠して、ハイできあがり、というわけです。


 確かに、「一筆書き」の定義は、「図形を書き始めてから書き終わるまで、鉛筆が一度も紙から離れないこと」「同じ線を二度なぞらないこと」だから、両方の定義を満たしてはいるものの、紙の裏面の「\線部分」は出題時に明示されていないんだし、不完全な欠損図形を出題しているのと同じじゃねーか!と当時は怒ったものですが。


 紙を使うにしても、四つ角のどこかで書いた方がやりやすいですね。「\」線には紙の角の尖った部分の裏面を使うといいです。

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