第102話 小説を書くプロセス

 前回、ヘンリー・ダーガーについて取り上げました。


「創作」ってなんだろう、「小説を書く」ってどういうことだろう、と自分として振り返る機会でもあったのですが、スキーム的にもどういうことなのか、改めて要点をまとめてみることにします。


 どこかの本に書いていたことの総括と、自分なりの意見を加えたものです。



 <第1段階>小説のネタを思いつく


 <第2段階>頭の中でネタをこねくりまわし、設定・世界観・登場人物などアイデアを固めていく


 <第3段階>小説を書き始める


 <第4段階>小説を完結させる


 <第5段階>書き終えた小説を、誰かに見せる


 <第6段階>他者から批評や感想をもらう


 <第7段階>批評や感想を、次の作品に生かす



「やってて楽しいなあ」と実感できるのは、<第2段階>で脳内であれこれ動かしているステップと、書きたいエネルギーに溢れている<第3段階>でしょうか。

 考えていたことが、表現によって具体化され、客観化できる「可視状態」として誕生するのは、なんとも楽しい瞬間です。


 前述のヘンリー・ダーガーなどは、<第5段階>の内なる欲求に進まず、<第4段階>で満足できたタイプなのかも。


 さて、このスキームでは「小説を書く」とひとまとめにせずに、ステップを<第3段階>と<第4段階>で明確に分けました。


 スタートして、ゴールまでたどり着くか、スタートしてもゴールまでたどり着けないか。そこには天と地ほどの差があるからです。

 

 <第4段階>へ到達することが、いかに難しいことか! そして、到達できた時の達成感は、何物にも代え難いです。


 ここのような小説投稿サイトは、公の<第5段階>の場なのでしょう。

 

 また、素直な気持ちで<第6段階>から<第7段階>へ進めるかどうかも、分岐点かもしれません。

 批判を受けて、鋭い意見にポッキリと心が折れてしまうか、あるいは、聞く耳を持たずに意固地で自己中心的なままなのか。


 なんにせよ、せっかく<第1段階><第2段階>を得て、頭の中に生み出したモノたちは、できるだけ外に出してあげたい……という気持ちは、「親」としての心情です。


 願わくば、ゆっくり書ける時間と、思ったことを表現できる技術と、執筆に集中できる静かな環境があれば!


 ……というのは「書けない」自分にする言い訳かなー。

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