第94話 ノンアルコールビールでも酔っ払う

 家族で旅行に行き、

「お父さんは運転手だからノンアルで我慢してね」

と言われて、地元のクラフトビールをごくごくと美味しそうに飲む妻の姿を、羨ましそうに横目で眺めつつ、ノンアルコールのビールをちびちびと飲む……そんなパパもいるのではないでしょうか。


 だからといって、

「ノンアルコールだし、いくら飲んでも酔わないだろ! ノンアルでヤケ酒だ!」

と、大量に飲んではいけません。


 お店で、ノンアルコール飲料としてで提供されるビールやドリンクなどの中には、はっきりと「アルコールゼロ」と謳っているもの以外は、「ノンアルコール」でも微量のアルコールが含まれていることがあります。


「ノンアルコール」イコール「アルコールゼロ」ではありません。


 アルコールの含有量が全体の1%以下ならば「ノンアルコール」と提示しても良い決まりになっているのです。

 飲む人の体質や、飲む量によっては、酔っぱらうこともあり得ます。


 実際に、ノンアルコールビールをジョッキで5杯以上飲んだ男性が、帰り道に車を運転し、捕まった例があるそうです。


「酒気帯び運転」で捕まる場合は、呼気中のアルコール濃度が基準値以上、という規定がありますが、この人の場合は、呼気中のアルコール濃度が問題なのではなく、ほろ酔い状態で正常な運転ができなくなる「酒酔い運転」として罰せられました。


 また、飲み物にまったくアルコールが含まれていなくても、ビールの香りや雰囲気に当てられたり、「自分はビールを飲んだから酔ったかもしれない」という思い込みで、実際に酔ったのと同じような体調変化が現れることもあり、これを「から酔い」といいます。

 自己暗示による偽薬プラセボ効果の一種です。

 

 上記の件もあり、ノンアルコールビールを未成年が飲むことは推奨されていません。

 未成年のうちから、本物のビールに近い「ノンアルコールビール」を飲んで味を覚えてしまうと、本物のアルコール摂取に興味を抱き、誘引となる可能性があるからです。

 法的な罰則などはありませんが、店側も未成年相手では売ることを自粛しますし、店頭で未成年が買うのは難しいでしょう。

 お酒はハタチになってから!


 運転を控えている方は、「ノンアルコール」だからといって慢心せず、アルコールの含有量を確認し、「アルコールゼロ」かどうか、飲む内容に注意してから、喉の渇きを癒して下さい。


 

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