第67話 ジョギング中に亡くなった提唱者

 健康やダイエットのために朝早く起きて、近所の公園をジョギング……そんな人も多いかもしれませんが、やりすぎに警鐘を鳴らす話。


 アメリカのジム・フィックスという人は、タバコや暴飲暴食などがたたって、30代の時に体重が100kg近くになりました。

 一念発起して、禁煙・摂食し、トレーニングのために毎日15㎞も走る生活を始めます。


 結果、30kg以上のダイエットに成功。


 1977年には『奇跡のランニング』という本を出版し、これがアメリカでベストセラーに。

 ジム・フィックスはテレビ番組などにも出演し、走ることがダイエットにつながる効能を説きました。


 当時、肥満症が問題視されていたアメリカで、「ジョギング」ブームの火付け役となります。


 ダイエットに成功してからも、ジムは毎日走っていましたが、52歳の時、ジョギングの最中に倒れ、突然死しました。

 死因は、心臓に負担を掛け過ぎたことによる心筋梗塞と言われています。


「ジョギング」ブームの火付け役がジョギング中に亡くなったというニュースはアメリカ中で報じられ、ジョギングは健康法として有用な面はあるものの、体調によっては心臓に負担をかけ危険な場合もあり、過度な運動を行うのは良くない、とブームは一気に下火になりました。


 その後、心臓に負担の少ない「ウォーキング」が代わりに注目されていく流れとなります。


 もちろん、体を動かすことで血流が良くなり、ストレス解消にもつながるというデータもあり、ジョギングすべてを否定するわけでありません。


 ただ、なにごとも、ほどほどに。


 行き過ぎた健康嗜好にブレーキをかける「健康のためなら、死んでもいい」なんて皮肉交じりの言葉もあるようですが。

(語源は、苦しいトレーニングやダイエットを無理してやっている人たちを冷笑して、タモリが言った「健康のためなら死ねる」から来ているようですね)


 太りすぎて健康を害するような人生よりも、頑張ってダイエットに成功した人生を選びたいですが、それで死んでは元も子もないですから。


 負担の大きな健康法で台無しにしてしまうよりは、自分に合った適度・適切な方法で、心も体も健康で生きていきたいものです。

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