第66話 非常口マークは2種類ある

 緑色の扉に向かって、走っているポーズの緑色の人……有名な「非常口」のマーク。


 緑色の人の足元からは影が伸び「光が差す場所(=屋外退避)に向かっている」ことも理解できる、ビジュアル的に秀逸なデザインです。


 この「非常口マーク」は、1982年に小谷松敏文・太田幸夫らによりデザインされ、1987年にISO(国際標準化機構)に組み込まれて「世界標準デザイン」となりました。日本発祥のマークが、世界共通のものになっているのです。


 さて、よく見ると、この「非常口」の看板、緑色ベースと、白色ベースの2種類があります。


 緑色をベースとした照明の看板は「避難口誘導灯」。


「ここが避難口です」と、出口そのものを意味しています。ドアのすぐそばにあることが多いです。


 白色をベースとした照明の看板は「通路誘導灯」。


「非常口」マークと共に、矢印がついています。その矢印の先に進むと、避難口があるよ、と示しているわけです。

 廊下などにいくつか点在していることが多いです。


 この「非常口マーク」の逃げている人型。


 制定時はすべて「左向き」で看板が作られたそうですが、現在では、「非常口」の場所に応じて、人型を左右反転させて右向きにしたり、直感的に非常口の場所へ誘導するように、デザインの加工も行われているそうです。


 緑や白といった色にも意味があります。


 緑色は、炎の赤色の「補色」であり、火災の中でも一番目立つ色。


 白色は、出口へ誘導するためなので、停電などが発生して暗い時に照明代わりになります。


 緊急時において、「緑」はゴール、「白」はそこに辿り着くまでの案内板。そんなイメージですね。


 災害時に「白」の照明の真下に来て「ドアないじゃん! 非常口どこよ!?」と勘違いしてキレたりしないように。


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