第46話 徳川家康は健康オタク

 突然ですが、あなたの体形は? 痩せ型の体形でしょうか? それとも中肉中背? あるいは……肥満体形?


 2005年、日本内科学会などの8つの医学系の学会が合同し、日本で「メタボリックシンドローム」の診断基準を策定しました。

 ヘソの高さの腹囲が、男性85cm・女性90cm以上で、他には血圧や脂質など、いくつかの条件が基準値から外れると、「メタボリックシンドローム」と診断されるそうです。


 話は飛躍しますが。 


 現存する文献資料から計算すると、晩年の徳川家康は、身長が160センチ弱、胴回りは120センチはあったと推測され、現在でいえば完全な「メタボ体形」なのだそうです。


 しかし、家康は75歳まで健康に生きました。


 肥満体形の家康は「健康オタク」という趣味がありました。


 自分で漢方薬を調合して、試験的に家来に飲ませてみたり、自らでも飲んでみたりして効果のほどを計ってみたりしていたそうです。

 相応の知識があったから、なのでしょうけれど……よい子はマネしないでね。

 

 そして、身体を動かすことも積極的に行っていました。

 家康は鷹狩りが趣味で、「遊びのためではなく、寒くても暑くても関係なく走り回ることで、病気になることを防げる」といった意味の言葉を文書に残しているそうです。

 70歳になっても、年間50回は鷹狩りに興じたという記録が残っています。


 家康が鷹狩りに興じていたと言われる山間地で、実際に鷹狩りを行った想定で体への負荷を計算したところ、大体、皇居一周のジョギング(5㎞相当)と同じ運動量だったらしいです。

 それを、家康は70歳になっても年間50回……だと!?

 武将ではなかったとしても、バイタリティ溢れる人生の先輩として、尊敬してしまいます。


 鷹狩りをする中で、デコボコがあったり坂道もある野山を走り回るだけではなく、それによって「バランス感覚を鍛える」「足を上げて歩き、走ること」といった条件もクリアしていたことになります。また、獲物を追う「適度な緊張感」も、精神的な面から健康の秘訣とされるのだとか。年を取ると、いろんなことに慣れてくる反面、緊張することって少なくなりますからね。


 家康は、肥満体形ではありましたが、足腰がしっかりして、力士のように筋肉がついているガチムチ体質だったのでは……と推測できます。


 歴史の偉人でいえば、宮本武蔵について。


 宮本武蔵は、健康のために干飯ほしいいを意識的に摂取していたそうです。


干飯ほしいい」とは、炊いた玄米を、一週間ほど天日で干して、カチカチに乾燥させたお米です。


 干飯は非常に固く、普通の白米よりも噛んで飲みこむまで3倍以上の咀嚼時間がかかり、アゴも鍛えられるそうです。

 よく噛むことで、脳への血流量が増え、脳が活性化し、認知症の予防に役立つ、などの長所があるほか、脳の血流量が増えた結果として、感情のコントロールに役立ち、物事が冷静に考えられる、といった面もあるのだとか。


 会社の健康診断が終わって、ひと息ついて、健康について考えてみました。


 毎年のことだけど、バリウム飲むのってホントーにイヤだし緊張するんだよなー……あ、でも、これも「健康を保つための、適度な緊張感」だと思えば。


 プラスに考えるのって大事。


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