第44話 ブックオフとハードオフは、関連会社ではない

 古本を扱う全国チェーン店「ブックオフ」。


 私もよくお世話になってます。


 同じ建物の中に、「ブックオフ」と「ハードオフ」の店舗が入っている場合がありますが、パソコンなど中古家電品を扱う「ハードオフ」は、名前も、会社のロゴも、中古買取・販売という事業内容も似ているのに、実は別会社のグループであり、「ブックオフ」の関連グループではないのだそうです。


「ブックオフ」は、本社が神奈川にある「ブックオフコーポレーション」の系列。


「ハードオフ」は、本社が新潟にある「ハードオフコーポレーション」の系列。


 それぞれ別の企業です。


 もともと、創業者同士は面識がありました。


 新潟で新品のオーディオ販売をしていた「サウンド北越」の社長・山本氏が、会社経営が厳しくなっていたため、中古オーディオやパソコンを買い取って修理し、販売しようというリユースビジネスを考え始めた矢先のこと。


 それに先立って、山本社長の友人・坂本社長が、古本を買い取ってリサイクルするという販売事業を始めました。


 実は坂本社長も山梨県でオーディオ事業を展開していた経歴があります。

 山本社長・坂本社長のふたりは、オーディオ関係の勉強会で以前に知り合い、友人関係にあったのです。


 坂本社長が始めた古本リサイクル事業、これが「ブックオフ」の始まりです。


 それを聞いた山本社長は、坂本社長に「一緒に事業をやりたい」と声を掛けました。


 話し合ってみると、坂本社長はあくまで「中古本の取り扱い」、オーディオにこだわりのある山本社長は「オーディオや家電品のリユース」ということで、事業内容は違っていました。


 ただ、親しかった二人は、坂本氏の許可を得て、「ブックオフ」のロゴそっくりな「ハードオフ」のロゴを作り、山本社長の本拠地である新潟県で「ハードオフ1号店」を展開する時は、「ブックオフ」店舗と同じ建物に入ることになりました。


「ハードオフ・ブックオフ新潟紫竹山(しちくやま)店」がハードオフにとって出店第1号となります。


 ボツ案ですが、「坂本社長がブック“オフ”でいくなら、こっちはハード“オン”でいこうか!」と「ハードオン」という店舗名もアイデアとしてはあったそうです。


 こういったふたりの縁もあって、新潟県内の「ブックオフ」は、「ハードオフコーポレーション」がフランチャイズ経営を担当しています。


 2015年までは、「ブックオフコーポレーション」が、「ハードオフ」のフランチャイズ経営を担当していたエリアもあったとか……ややこしい。


 公式サイトでも、互いが互いに店舗を内包しているので、どっちがどっちなの、と混乱する要因になっています。


「ブックオフコーポレーション」の系列は、中古本を扱う「ブックオフ」の他、本以外にファッションや日用品も扱う「ブックオフ・プラス」、もはやなんでもありで手広くやってる「ブックオフ・スーパーバザー」などがあります。 


「ハードオフコーポレーション」の系列は、パソコンや家電品の「ハードオフ」の他、衣服や日用品などを扱う「オフハウス」、ちょっとお高めのファッションも扱う「モードオフ」、おもちゃ・ホビー品などを扱う「ホビーオフ」、カー用品に特化した「ガレージオフ」、さらにはお酒を扱う「リカーオフ」もあります。


 小さな子供を「ホビーオフ」に連れて行った時の、テンションの上がり方ってすごいですよね。一緒にいて疲れるくらい……。

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