第29話 ペットボトルの「ペット」って何?

 飼い犬や飼い猫、愛玩動物のように身近な存在だから「ペット」のボトル……というわけではありません。


 ペットボトルの原料は、石油から作られる「ポリエチレンテレフタート」という樹脂。


 英語表記だと「POLY ETHYLENE TEREPHTHALATE」と書くので、その頭文字をとって「PET(ペット)」と呼んでいるわけです。

 ちなみに、英語発音でも「PET」でそのまま「ピーイーティー」と呼ぶらしいですよ。


 巻かれているラベルや本体のどこかに、矢印で作られた三角形のようなマークがあり、そこに「PET」と書かれているはずです。

 これは「識別表示マーク」です。

「資源有効利用促進法」という法律で、ペットボトルへの刻印や、ラベルへの表示が義務づけられているのです。


 ポリエチレンテレフタートの樹脂を溶かして、細く糸状にしたものが化学繊維です。ワイシャツなど、衣服にも使われています。

 薄く伸ばすと食品包装用の透明フィルム。

 立体的に膨らませた容器が、ペットボトルというわけです。


 ペットボトルは、ビンよりも軽く、落としても壊れにくいという利点があり、形を加工しやすいのでサイズの種類も多く、衛生面でも保たれているほか、スクリューボトルキャップで一度開封しても再度密封できます。

 よく考えると、1本にさまざまな技術や機能が込められているんですね。


 ちなみに、飲み終わった空容器のペットボトルの意外な使い道として、計量に使えるというのがあります。


 500mlのペットボトルのフタで2杯分は、料理に使う「大さじ1杯分」とほぼ同じ量の15ccです。


 500mlのペットボトルいっぱいにお米を入れると、ちょうど「3合」分。


 500mlのペットボトルに、スーパーで買ってきたパスタを袋から出して、フタを閉めておけば縦に立てたまま保存ができますし、ペットボトルの穴から出したパスタは、おおよそ1人分の量、約100gになるので計測にちょうどいいのです。

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