5日目

また真っ暗な空間にいる。


毎回、何なのこの空間。


また私は真っ暗な空間で過ごす。


ただいつもと違うのは昨日見た、上空から降り注ぐ光が複数箇所あったことだ。


私は光が降り注ぐ場所へと向かった。


光に当たってみるが別に何かがあるわけではない。


私が疑問に思っていると

「みかちゃんおはよう」


みらいの声が聞こえた。

ただいつもと違うのはこの真っ暗な空間から出られないことだ。


『なんで、出られないの?』


私は必死に起きようと努力するが一向に起きることができない。


それにさっきまで降り注いでいた光の数が減っていた。


『なんで?』


起きて起きて起きて起きて


起きてと願うが一向に起きることができない。



それと同時に周りの闇が濃くなった。

「おいでおいで」

「はやくはやく」


闇が特に濃い部分から囁き声が聞こえる。


それに特に濃い闇が私に近づいてきた。


私は全速力で濃い闇から逃げるが濃い闇が

すぐ後ろを追いかけて来る。


「まってよー」

「仲良くしようよ」

囁き声がすぐ後ろまで迫る。



「キャッ」

ドテッ


私は地面に躓いてこけてしまった。


濃い闇が目の前に迫る。


「あっ」


‘’そして私は知ってしまった。’’



濃い闇だと思っていたものが実は

無数の骸骨達でそれらが集まって

他の闇よりも濃く見えていたという真実を。



骸骨達が私に向かって手を伸ばして突っ込んでくる。


そして骸骨達に腕や肩、頭、足などさまざまな場所を掴まれて地面に引きづり込まれる。



「嫌だ嫌だ。死にたくない死にたくない助けて」



私は必死に懇願した。だが相手は骸骨。

そんな言葉を聞く耳を持つことはない。



ピシッと音と共に閃光のような光が

真っ暗な空間を明るく照らす。


そして骸骨達は消えていった。


『助かった』

ポトッ

私が安心していると何かが落ちる音がした。


私が足元を見るとそこには昨日、みらいに貰ったミサンガが落ちていた。



私はすぐにミサンガを拾い上げようとするが

私がミサンガに触った瞬間にミサンガが

ボロボロと音を立てそうな勢いで崩壊して

塵となった。


「みかちゃんおはよう」

みらいの声と共に私は起きることができた。


安堵した私はさっきまでの緊張から

解き放たれて顔が緩んでしまった。



ただみらいの顔はいつものように笑っているのではなく少し悲しそうな顔をしていた。


その理由についてみたが答えてくれることはなかった。



学校もいつも通りで何もかもが普通だった。

夢の意味わからなさを除いては。


ガチャ

「ただいま」

私は家に帰った。


シ———ン


『あれ、おかしいな。みらいの声がしない』

私は疑問に思いながらも部屋に入り台所に向かう。


するといつも通りみらいが料理をしていた。

ただみらいは私のことに気づいていない。



私はみらいを驚かそうと近づくと

「みかちゃん。いま料理中だから危ないよ」


「気づいてたの?」


「いま気づいた。おかえり」


「ただいま」

私がみらいの顔を覗き込むと顔色がとても悪いことに気がついた。


「どうしたの?顔色悪いよ」


「ううん。少し体調が悪いだけだから

気にしないで」

少し気にかかったが気にしないことにする。



今日のご飯は餃子だ。いつも通り美味しくペロッと食べてしまった。


ただいつも以上にみらいの元気がないことに心配になった。


「具合、大丈夫みらい?」

ソファーにいるみらいに話しかけてみた。



だが返事が返ってこない。


私はソファーにいるみらいの横に座る。

「みらいどうしたの?」


いつも笑顔で自信満々なみらいが今日だけは虚な目をしていた?


「本当に大丈夫?」

「大丈夫だよ。少しぎゅっとして良い?」


「良いよ」

私が言うとみらいがぎゅっとハグをしてくる。



「ねぇ、みかちゃん」


「何?」


「ミサンガ4つ使ったんだけど全部着けてくれない?」


「え?4個も」


「うん。変なのはわかっているんだけどどうしても着けてもらいたくて」


ここで私は夢でミサンガが塵になった事を

思い出して足を見ると昨日着けていたはずの

ミサンガが無くなっていた。


「夢って夢だよね?」

私はプチパニックになりながらみらいに聞いた。


「うん?そうだよ」


「だよね。だよね」


「あー。昨日やったミサンガ何処かに落としたんじゃない?」


「そうよね………ん?」


私はこの会話でとても疑問を持ってしまった。



なんで、みらいは私が長ズボンを履いている

のにミサンガが無くなった事を知っているのか。


私は急にみらいが怖くなってきた。

『もしかしてみらいって私のストーカー?』


いや、確かに久しぶりに会ったのに私の家を

知っていて朝起きたら部屋の中にいるし

ストーカーかもな。



『まぁーでも美味しい料理を沢山作ってくれるから良いか。』



私はみらいから渡されたミサンガを両手両足に着ける。



そして少し話した後に床に着いた。


「みらいおやすみ」

「おやすみ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

みかちゃんとみらいの7日間 さまえる @samaeru36

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ