4日目
『また、真っ暗な場所』
もう私もこの空間に慣れた。
昨日みたいに変な声はしないし闇が深い
わけでもなく水平線まで見える。
まぁ真っ暗で私が見ているものが水平線かはわからないけれど。
今日もこの真っ暗な空間を彷徨い続ける。
ただ私はこの真っ暗な空間にいても安心していることができる。
何故ならみらいがおはようと言ってくれると起きれるから。
それから体感1時間経っても一向に起きれる気がしない。
『あれ、どうすればこの空間から自分で出ることができるのだろう』
私は焦り始めた。
みらいがおはようと言ってくれないと一生私はこのままかもしれないと思ったからだ。
それから体感2時間、3時間と過ぎていく。
『嫌だ、嫌だ。一生ここにいるのは嫌だ』
助けて生きたい助けて助けて
すると上空から一筋の光が降り注ぐ。
私はそこに向かって手を伸ばす。
「私をここから出して」
すると上空の光が私に向かって来る。
やった。これで出れる。
ガシッ
「え!?」
私が足元を見ると骸骨達が私の足を掴んでいた。
「やめてやめて..離して..」
涙が溢れてきて上空の光が霞む。
『ああ。もう無理かもしれないな。
私は光の所へ向かえない。
一生この暗闇に生きるのかもな』
せっかく光を見つけて希望に満ちたのに
闇に引き摺り込まれて絶望へと変わった。
「………ちゃん…はよ」
みらいの声が聞こえる。
「…かちゃん…はよう」
私はここだよ。助けて助けて生きたい生きたい
「みかちゃんおはよう」
バッ
「ビックリした!」
私は勢いよく起き上がったせいでみらいが
ビックリした顔をしている。
「どうしたのみかちゃん?」
「何でもないよ」
「すごい汗の量だよ」
私は髪を触るとビショビショになっていた。
「お風呂入って来るね」
「わかった」
私はお風呂に入ってご飯を作る。
今日は大学行かないとな。
私たちはご飯を食べて大学に行く。
今日はみらいも一緒に大学に行くみたいだ。
みらいは大学を始めてみるらしく
大はしゃぎだったが、
周りの人たちは全く気にしていなかった。
大学生だから器が大きいのだろう。
知らないけれど。
それから授業を全部受けて家に帰った。
どうやらみらいは電車も初めてだったらしく今日1日すごく楽しかったと言っていた。
家に帰ると台所が騒がしい。
ジュウーパチパチパチパチ
それに食欲をそそる香りが漂ってきた。
「今日のご飯は何?」
「みかちゃん。焦らないでちょっと待っててね」
「はいお待たせ」
そうやって運ばれてきたのはカツ丼。
「何でカツ丼なの?」
「ガッツリしたものが食べたかったからかな」
「「いただきます」」
サクサクサクサク
かつにかぶりついた瞬間に鳴るこのサクサク音。たまらない。
「「ご馳走様でした」」
私たちは今日の出来事を話した。
みらいは電車に乗ったことが初めてで
狭い空間にたくさんの人がいることに
凄く疲れたみたいだった。
それに大学って広いし建物がでかいことに驚いたらしい。
私にとってこの2つとも普通のことだと
思っていたけれど初めての人からしたら
違和感が多いのは仕方がないと思う。
「そうだみかちゃん」
「何?」
「これ、プレゼント」
そういうとみらいは私にミサンガをくれた。
「これ着けて」
「良いけど」
そう言い私は足にミサンガを着けた。
「よし、これで大丈夫だな」
みらいがボソッと呟いた。
「なんか言った?」
「ん?何でもないよ」
「みかちゃんそろそろ寝ようか」
「そうだね。おやすみ」
「おやすみ」
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