30.ポーションの味変

お風呂を堪能して、部屋に戻ってきて、もう1つの角ウサギの空魔石を魔水晶に変えようと思っていたのを思い出した。あと、ポーションを5本頼まれていたのを。



「あれ、そういえばポーションて体力の方?魔力の方?」



魔力ポーションて言ってなかったから体力の方だと思ってたけど、良品1本しかないのも心許ないし、ついでだから角ウサギの魔石残り1個を使ってしまおう。後で2個同時に魔水晶に変えればいいし。

角ウサギの魔石は魔力60だから、良品が4個か普通が6個できるよね。ーーーどうせなら良品の方がいいだろ。


そういえば薬師が作るポーションは不味くて、錬金術師の作るポーションは薄っすら草の味だって言ってたな。ーーどっちにしても不味くね?超不味いかちょっと不味いかの違いじゃね?


うーん。味変できないかなぁ。

魔石使った魔力ポーションで実験するのは微妙なので、体力の方のポーションで実験しよう。

味見をする予定なので、ジャムの空き瓶を5個取り出す。ゴミ箱代わりに閉まったのが幸いした。グッジョブいつかの俺。洗浄魔法を施し、テーブルに置く。まずは癒しの薬草1本と、りんご。こちらも洗浄魔法を施して両手に持つ。魔力ポーションを作った時の容量で、Yの字イメージで癒しの薬草へ自分の魔力と、りんごの甘味を抽出して流し、瓶が終着地点となるように操作する。

あ、鑑定忘れて光ってしまった。魔力入れるの多すぎた。

.......一応鑑定。



【ポーション(りんご味特大)】

凄く良く効く美味しいりんごジュース味のポーション。

欠損部位も繋がる。

体力全回復。

何かの力が入って極限まで効果をもたらしたもの。



おぉ。りんご味は成功してる。

小さいコップを異空間から出して、洗浄、今出来たポーションを味見程度に注いで飲んでみる。おお、まんまりんごジュース。そして俺の身体ちょっと光った!体力∞なのでなんにも変化感じないが。半分以上のこってるので、蓋をして異空間に放り込む。りんごが軽くなった感じがする。食べてみると、スカスカのりんご。なんか水分も甘みもないモッソモソなんだけど!美味しくないので、ティッシュを異空間から出してくるんでゴミ箱へポイ。


次は梨と癒しの薬草1本を出して、また洗浄。

同じイメージで、今度は鑑定かけながら秒数を数えつつ試す。

5ー、と数えてる途中に普通になったので、魔力注ぐのやめて鑑定すると、(良品)になった。チッ。

味見をすると、こちらもまんま梨ジュース。


次はみかん。今度は4秒途中で止めると、(普通)のポーションができた。4秒半、普通!5秒半、良品!成る程りょーかい!

味もちゃんとみかんジュースだった。品質の違いで味の変化はなし。よしよし。


次は柿。柿はドロっとしたのが好きなので、身も入るようにイメージして注ぐ。鑑定せず5秒半で止めると、やはり(良品)。よしよし、いいぞいいぞ。

味見をするとちゃんとドロっと感が生かされている柿ジュースだった。柿は皮と種だけとなった。ゴミだわ。ティッシュにくるんでゴミ箱に入れる。


最後はメロン。今回も鑑定せず4秒半で止めた。結果、(普通)。

よっしゃーーー!秒数分け、成功!

味もちゃんとメロン味だったし、良きかなよきかな。メロンもゴミ箱へ.....ガサだけはあるから、ゴミ箱入んないわ。あ、ティッシュもこっち来てから見かけないので、もしかしてこの世界まだティッシュない?流石に生ゴミを異空間には入れたくないので、仕方なく念動力でゴミ箱の中身浮かせて結界を張り、その中でいつもの高温処理をする。ーーーそういや土の上で高温処理すると後始末面倒だったけど、この方法なら自然破壊しないのでは?

今度からこうやってやろー。


思いがけず問題が2つ解決して気分が良くなったので、瓶5本、薬草5本、果物5種類出して、洗浄。一気に5重のYイメージで、5秒半でやってみた。

ーー結果。



「だっいせいこーー!!」



味付きポーション(良品)が5本できた。

やっふー!とテンション上がり、今度は魔石も増やしてドロっとした柿は省いて4種類。魔力ポーションは1つ線のイメージが増えたけど、大分慣れたので大丈夫。ーーな筈。

いっけーー!!




このテンションはこの前の二の舞では、と少し出来上がりが不安だったけど、そういえば魔力ポーションは出来上がり数と魔石の魔力数が合えばポーションより狙いの品質に出来るの簡単なんだった。

ちゃんと味付き魔力ポーション(良品)が4つできた。


俺のドキドキ返せ、と自分のせいなのにいきどおった。




気を取り直す為に頭を振って、果物だったものがゴロゴロしてるので纏めて結界魔法の中で高温処理。


空になった角ウサギの魔石2つを手の中でコロコロさせる。一緒にやったら、2つ分で1個になるのかね。1個ずつ作って2個作るか、2つを合わせて1個作るか。どーしよっかなー。



ん、どうなるかわかんないし、実験の意味もあるから2個いっぺんにやろう。



さぁ、おさらいだ。

まずは念動力で魔石2個を浮かせて、結界魔法。1400度くらいのマグマをイメージして炎を生みだし、魔石を包む。それに圧力をかけつつ、魔力も圧縮するようにドンドコ注ぐとーーードロリと魔石が溶けた。

次は冷却だ。ゆっくり冷やさないと、大きな結晶にはならない筈なので、結界魔法の中の時間経過を早めつつ、炎をだんだんと弱めていき、薄らと温度を下げていく。ドロリとしていた魔石が少しずつ形づくり、結晶化して、他の物質が何もない状態まできて、時間経過と結界魔法を解除。



念動力で浮かせていたものを手に取る。

形は、商人ギルドで見たような中型の魔水晶だ。やっぱり同時にしたら1つになったな。



「鑑定」




【魔水晶(中)】

圧縮された魔力が詰まった水晶。

残魔力:18000



ーーあら?予想してた単純倍の1万2千でも大型魔水晶鑑定した時の1万5千でもなく1万8千?........ヨソウガイデース。



単純倍の1.5%になるけど、例が少なすぎて判断できないわこれ。

ーーーま、多いなら何でもいーよね。









本日(夜の部)のできたもの

味付きポーション(特大)ジャム瓶8割入 1

味付きポーション(良品)ジャム瓶8割入 2

味付きポーション(普通)ジャム瓶8割入 2

味付きポーション(良品) 5

味付き魔力ポーション(良品) 4

純魔水晶(中)1

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る