20.冒険者ギルドで初依頼

この世界に到着してから、そしてこの街に来てから3日目。

ポーションに四苦八苦しながらもランクもあがったし、瓶も注文した。瓶がないとポーションも作れないし、今のところポーションと魔力ポーションしか作れない。素材もないからだ。

昨日注文したホットドッグも2日後だし、瓶も同じ日にサンプル確認だ。


本を読んで過ごすのもいいが、今日は素材採取にしよう。


昨日コーヒーに紅茶を入れさせて貰うのに厨房にもお邪魔して、ニコちゃんパパとも仲良くなったので、

朝食がてらお弁当用意できないか聞いてみたら、たまに他の冒険者でも頼む人はいるらしく、別途小銅貨8枚で請け負ってくれた。


今日の朝食はフレンチトーストにサラダ、ウィンナーだった。うむ、これぞ朝食って感じ。


そろそろお米が恋しくなってきたかも、と思いつつ美味しく食べた。

ゆっくり食べて、昨日自分で入れたコーヒーの入ったポットを出して、カップに注ぐ。ポットだけ異空間に戻した。

ふわり、とコーヒーの匂いが充満して、まだ残っていたお客さんがチラチラこっちを見てるけど、気にしない。やらんぞー。


飲み終わる頃、女将さんが来て、お弁当を渡してくれた。お礼と小銅貨8枚を渡し、コーヒーカップに洗浄魔法をかけて、異空間へ。ご馳走さまでしたー、お弁当ありがとうございます!とニコちゃんパパにも挨拶して、枕の誘惑亭を出る。


探索込みで索敵魔法を発動して、昨日マーキングした大っきい男の人の位置を確認。ーー今はまだ貴族街にいるみたいだ。


よし、いざ冒険者ギルドへ!



ーーーーー


《カランカラン》


ーー初めて来た時直したので、今日は正常に鳴ったドアベルを聞き、1人上を向いて頷く。


現在8時過ぎ。冒険者もチラホラいて、掲示板の前にも数人いる。

見れない程じゃないので、トコトコ近寄る。

剥がされて穴あきになってる掲示板を見て、冒険者ってもしかしてもっと早い時間に来るのかなぁ、とボケっと思った。

掲示板はF・Eランク、D・Cランク、B・A・Sランクと3ケあって、下2つが結構穴あきだ。

俺の受けられる依頼は上下1つまでだから、D・C・Bランク。

残ってる依頼で気になるもの......

『ランク:D

毒キノコと眠りキノコと痺れキノコ各5個以上納品(上限各30個)

採取場所:西街道方面西の森の奥。洞窟や湖淵。

報酬:1個小銅貨3枚』

『(常時依頼)ランク:不問(D)

ゴブリン討伐(証明部位:右耳)

報酬:1体大銅貨3枚、別途魔石1個大銅貨4枚)

『(常時依頼)ランク:不問(C)

オーク討伐(証明部位:右耳)

報酬:1体小銀貨5枚 別途魔石1個小銀貨1枚、牙1個大銅貨5枚、肉100g小銅貨2枚』

『(常時依頼)ランク: 不問(C)

くまベアー討伐(証明部位:右耳)

報酬:1体小銀貨5枚 別途魔石1個小銀貨1枚、爪1個大銅貨3枚、肉100g小銅貨3枚』

『ランク:B

キラービーの蜂蜜採取

採取場所:西街道方面西の森の中。

報酬:100g小銀貨1枚

※討伐はできても半数まで!

討伐した場合の買い取り部位:針1個大銅貨5枚、魔石大銅貨1枚』


常時依頼多いな。因みに角ウサギはF、角狼はDのとこに常時依頼であった。

他に Cランクに商人の護衛でオパール王国まで、とかBランク依頼で貴族の護衛で王都エメラルド国までとかあるけど、遠出はしないつもりなので今回はパス。


西街道って西に行けばあるのかな。その付近の森でキノコの依頼とキラービーの依頼同時にできるんじゃないだろうか。探索強化の索敵魔法で場所特定可能だろうし。

そうと決まれば2つの依頼票を剥がし、受付に持っていく。空いてるのはーーーあ、タフィーさんがいるね。



「こんにちは。」

「こんにちは!アキさん!今日は剣士の格好なんですね!カッコいいです!」

「冒険者っぽいですか?」

「いえ!騎士っぽいです!」



なんと。冒険者に見えるようにクリーム色のシャツに先日買った胸当て、灰色ベストに灰色ズボン、長めの革靴を履いて剣帯に刀まで差していると言うのに。顔か。顔のせいか。



「それは残念です。この依頼を受けてもいいですか。」

「はい!ーーーアキさん、2枚ありますよ?」

「はい。2つ同時には受けれませんか?」

「ーーーいえ、受けれますけど.....あぁそうか、収納スキルありますしね....期限が明確になっていないものは、5日の期限がありますが、この依頼、どちらも場所の特定が難しいですよ?それにキノコはまだしもキラービーだと何匹も相手にしなくちゃいけませんし、普通実力あるパーティで受けるものなんです。」

「俺には魔法もありますし、探し物は得意です。」

「......そうですか?そんな自信があるなら、受付しますが、失敗した場合罰金はありませんが、評価はマイナスが付きますので、お気をつけ下さい。では手続きしますので、ギルドカードをお貸し下さい。」

「はいお願いします。」

「ーーーアキさん。」

「はい?」

「いつの間に薬師になってるんですか!?しかも銀に!あぁっそういえばベストに銀バッチついてる!2日しかたってないんですけど!」

「あぁ、これ。ーーー錬金術の方がね、やってみたら使えたんで、それで。銀から販売も信用してもらえるそうだから、頑張りました。」

「えぇえぇええっそんなすぐ成れるもんじゃないですよ!成れないですよね!?」

「成れました。手続きお願いします。」



今日も煩いなぁ(言っちゃった)、タフィーさん。

ニッコリ笑顔で手続きを促すと、あぅ.....とか言いながら奥に引っ込んだ。あのパソコンみたいなので作業するんだろう。

すぐに戻ってきて、ギルドカードを返される。すぐに異空間に放り込んだ。



「では、行ってきますね。」

「お、お気をつけて!」



まだ立ち直れきれてないタフィーさんに手を振ると、ブンブン振ってそんな言葉をかけてくれた。いい子なんだけどなぁ。

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