5.角が生えたウサギ。角ウサギ。まんまじゃん。

ポーションを作ったらなんかえらい性能のものが出来た。



「............まぁ、いいものは、いいでしょ。うん、粗悪品よりはマシだ。うん。」



初めてのポーション作成を否定したくないだけに無理矢理納得して、作成したポーションを異空間に放り込む。

とりあえず目指す方向をコンパスで確認して、再び歩き出す。

索敵魔法はかけっぱなしなので、白い点滅がよくおこるが、そのどれもが癒しの薬草だった。



「ーーー繁殖地なの?これが普通?」



少し歩いては癒しの薬草。少し歩いては癒しの薬草。一箇所に数本生えてるので、半分くらいずつ採取して異空間に放り込んでいる。生えなくなっても困るだろし。



「携帯小説の異世界ものだと、とりあえず採取だよねー」



魔石があれば魔力ポーションとやらも作ってみるんだけどなー。ジャムの空き瓶まだあるし。

魔石ってあれかな。やっぱり魔物とかの体内にあるんだろうか。



ふん、ふふん♪と鼻歌混じりにテクテク歩き、癒しの薬草を見つけては、異空間に放り込む作業を続けていると、索敵魔法に赤い点滅がひっかかった。



「ーーーーーあ?」



赤は敵対。点滅してる方を見ると、白い物体がタッタカ走ってくる。



「ウサギ?ーーー角生えてる。ーーーうわ、怖い顔!」



《ドゴッッ》《ギャンッ》《メキッッッ》



近くまで来ると、襲いかかって来たので、とりあえず殴るーーと、ウサギは吹っ飛ばされて、近くの木にぶつかってーーー



《ミシシシーーーズドーン》



「ーーーやべ。いきなり来るから、加減し損ねた。」



ぶつかった木まで倒しちゃった。テヘペロ。

ウサギはーーーま、動かないよね。南無。



「このウサギ、何なのよ?角生えてるけど。」



ジッと見ると、索敵魔法が働いて、ウサギの前に表示される。



【角ウサギ】(つのうさぎ)

ウサギの魔物。

人を見ると、とりあえず襲いかかる。

頭は良くないが、素早い為、駆け出し冒険者が初めに苦労する敵となる。

角と毛皮が素材となる。身はやや硬く味は普通。

(状態:死亡)



「ーーーおぅ。角が生えたウサギ。角ウサギ。ーーーーまんまじゃん。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る