私という人間は
信じることって難しいことでしょう。
親から人を信じるなと言われ育ちました。
なぜなら人は裏切る生き物だからです。
幼い頃は親の言うことが理解できず人を信用してついてまわりましたが、都合よく扱われ、生きていました。
先輩に好かれれば同級生に忌み嫌われ、先輩が卒業する頃には私を孤独に落とし込みました。
後輩に話しかけても同級生に話しかけても誰からも嫌われるのです。
私はこの時初めて孤独というものを感じました。人はこんなにも簡単に手のひらを返して人を裏切れる生き物なのです。
なんて醜いんでしょう。
私という人間を含めて。
この時から人を信じることを辞めました。
人を信じてもいいことは無い。
人は疑え、自分本位になれ、自分の思い通りにならないやつは切り捨てろ。
ああ、なんでこの時に私は醜い思想を持ってることに気づかなかったのでしょう。
親友でさえも一つ一つ言葉尻をとっては疑い、疑いの目を向けていたのです。
この人もいずれは私を存在価値の無いものとみなし、切り捨てるのではないか、そんなことを考えてしまうのです。
それならば今まさに切捨て居られていただろうに。
なんとおぞましい人間でしょう。
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ある時です。親戚の一人が自殺しました。
首を吊り自殺をしました。
その時の彼女の気持ちはどんなに荒み、どんなに病み、どんなに世界に嫌気がさしたのか。
私は考えました。
死を考えました。
その時から私の気持ちは狂っていたのでしょう。
常に死を連想し、いつ何時でもどのようにすれば死ねるか。
あの大通りの行き交う車の間に挟まれたら。
今この窓から身を乗り出しバランスを崩したら。
この紐を括り首を通したら。
いきなり通り魔に刺されたら。
沢山考えました。
考えていたのです。
幼い時から。
私は私という人間の存在価値は無いと思い生きていました。何も優れたところがない。
いい所なんてない。
そう思いながら生きていました。
だからこそ私という人間は、「愛」を求めました。人から愛されることで私という人間の価値を見出そうとしてました。
そう、利用していたのです。
試し、人を手のひらで転がし、自分という人間に存在価値があるのか確かめていたのです。
貴方をそんなことに巻き込んでしまったこと。
本当に申し訳ないと思います。
ごめんなさい。
私には結局生きる価値などないことが分かったのですが、それは全て人間に等しく言えることだと気づいたのです。
貴方に出会ってから。
だからこそ人は誰しも、いや、犯罪者以外は生きていいのです。
こんなどうしようもない私は貴方が生きる全てだと思い、生きるようになったのです。
愛しい貴方よ、
私は貴方がいなければ生きてもいけない木偶の坊になったのです。
こんな醜い人間をこれからも愛してくれるでしょうか。
私はうつ病を患い、仕事もまともに出来ない人間でした。
親からは見限られました。
どうしてこんなやつに育ったのかと言われました。私が聞きたかったです。
ただ死を連想するばかりの毎日。
ただ愛を欲するばかりの毎日。
私はただ孤独を謳っていました。
このように死をほのめかす人間ですが、結局は死ぬ勇気はございませんでした。
貴方に出会い、貴方に愛というものが何たるかをひたすらに追い求めてきました。
貴方は私といることが最早苦に感じているやも知れませんが、私は貴方なしでは生きていけなくなりました。
私はどのように生きていけばいいのでしょうか?
愛する貴方よ、
私の生きる意味よ、
私を見捨てず、私の為に共に生きてくれませんか。そうでないと私はもう、生きていけないのです。
私という人間はどこまでも自分本位なのです。
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