第6話

私は、麻織物の反物と、手染めした手ぬぐいを持って順平くんの家に行った。

順平くんのお父さんに、私の染め物の腕前を見てもらうためだ。

家に入って驚いた。

なんと、美紅ちゃんが家の中にいたのだ。


なぜ?

二人はもう付き合っているの?


「眞白、何しにきたにゃ?」


それはこっちのセリフ、って思ったけど、私は平静を装ってこう言った。


「順平くんのお父様にお見せしたいものがあって」


美紅ちゃんの表情が一変した。

その時、順平くんのお父さんがやってきた。


「眞白ちゃん、よぐ来てげたなっす。ほれ、これは美紅ちゃんの染めた反物だ。見てけれ」


美紅ちゃんも染め物を持って、お父様に見せに来ていたのだった。

美紅ちゃんの染め物は、大胆にも濃い黄色に染めたものだった。


「玉ねぎの皮で染めたにゃ」

「いつもはゴミにすてすまうしてしまう玉ねぎの皮も、染め物に使うと綺麗なもんだな」

順平くんのお父さんが、美紅ちゃんの染め物を褒めている。


私は焦った。


「わ、私も染め物、持ってきたんで、見ください」


私が差し出した麻の反物が、床の上に広げられた。


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